2015 Fiscal Year Annual Research Report
複合的な地域防災を実現する長期運用可能なセンサネットワークの研究
Project/Area Number |
25700007
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
岩井 将行 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (30458971)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複合センサ / 無線センサノード / 広域センシング / モバイルセンシング / 降雨実験 / 2.4G帯無線 / 省電力 / センサネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
高潮被害,豪雨土砂災害被害の危険性などが不規則気象や地震の発生を原因として深刻化している.河川や沿岸,山林にいたるため地震や水害の被害は複合して発生する.集中豪雨などの度重なる気象現象の異常化により,役場や介護施設等を丸ごとのみ込む土石流などの痛ましい災害が頻発している.本研究では,地域防災を可能にする統合センサによる地域モニタリングシステムを構築することを目的としている.本研究ではさらに斜面モニタリングシステムを無線センサネットワークにて構築し,その際に長期的メンテナスフリーを可能にすることで不足する人手をカバーし復興環境下において持続可能な被災地を長期的に支援する枠組みの提供を目指している. 平成27年度は、2.4GHz 帯域の無線モジュールである Twe -Lite と小型マイコン Arduino,各種センサを組み合わせたワイヤレスセンサネットワークを構築可能な汎用センサノードの開発を行った.また,そのセンサノードを用いて 10 軸慣性センサを搭載した状態検知システムを制作した.防災科学技術研究所と連携して斜面崩壊の検知実験と,実験時の 3D モデルによるアニメーション再現に成功した.また国土交通省が都市圏を中心に日本各地で広域に整備したXBandMP レーダにより250 mメッシュごとの降水量リアルタイムデータが観測され,河川情報センタを通じて配信されてい る.しかし配信されるフォーマットは独自のバイナリデータであるため,情報工学を専門としない研究者や企業には技術的ハードルが極めて高く活用も広く行われていない.我々は,多様な分野の研究者だけでなく企業,一般利用者による平易なリアルタイム降水量データ活用を可能とするためにシステムライブラリ及びそれを用いたWebAPI及びツールを実装し,日本各地の高精細なリアルタイム降水量データを地図上にマッピングすることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不規則気象や自然災害による土砂災害は昨今多くの人命を奪っている。個人レベルでの導入が可能であること,設置場所を選ばないよう小型な装置で実現できることを考え,2.4GHz 帯域の無線モジュールである Twe -Lite と小型マイコン Arduino,各種センサを組み合わせたワイヤレスセンサネットワークを構築可能な汎用センサノードの開発を行った.また,そのセンサノードを用いて 10 軸慣性センサを搭載した状態検知システムを制作した.防災科学技術研究所と連携して斜面崩壊の検知実験と,実験時の 3D モデルによるアニメーション再現に成功した. また国土交通省が都市圏を中心に日本各地で広域に整備したXBandMP レーダにより250 mメッシュごとの降水量リアルタイムデータが観測され,河川情報センタを通じて配信されてい る.しかし配信されるフォーマットは独自のバイナリデータであるため,情報工学を専門としない研究者や企業には技術的ハードルが極めて高く活用も広く行われていない.我々は,多様な分野の研究者だけでなく企業,一般利用者による平易なリアルタイム降水量データ活用を可能とするためにシステムライブラリ及びそれを用いたWebAPI及びツールを実装し,日本各地の高精細なリアルタイム降水量データを地図上にマッピングすることに成功した. 平成27年度内に論文として14件(内国際学会1)の研究発表を行った。さらに特殊なセンサデバイスを内包する形状のセンサ杭の構造及び機能に関する特許を1件出願した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は防災科学技術研究所と連携し、新たな実証実験を企画する。土砂センサから発生する3Dモデルの生成、計測距離に関する正確な測定、複合的なセンサデバイス、センサノードに特化したセンサ杭による実証評価を行う予定である。また標準化に向けたデータの公開などもおこなう。更にXBandMPのデータをリアルタイムでWEB上にセンサ杭などに提供できるシステムの提供を河川管理事務所と連携して行う。
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Causes of Carryover |
第2回目の実験を防災科学技術研究所と協議の上、平成28年度の中盤に年度変更したため繰り越しが発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費、人件費、実験費用、消耗品、書籍代として使用する。
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Research Products
(16 results)