2015 Fiscal Year Annual Research Report
100億ノードからなる自律分散システムのシミュレーション手法
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25700008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
首藤 一幸 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (90308271)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シミュレーション / 大規模分散システム |
Outline of Annual Research Achievements |
100億ノードからなる分散システムの実験を可能とするシミュレーション手法を研究している。インターネット上ではすでに1,000万台から成る分散システムが稼働している。しかし、実験が可能な規模は100万ノード程度にとどまる。本研究ではこれまでと比較して数桁上の規模を達成し、今後現れる大規模分散システムのシミュレーションを可能とする。我々は、並列処理でシミュレーション規模・性能を稼ぎつつも、ノード間通信の時刻、順序、依存関係を正しくシミュレートできる手法を開発している。 2013年度は、汎用分散処理システムの上ある種の分散アルゴリズムをシミュレートできることを確認した。汎用分散処理システム上で動作させるために、分散システムをMapReduceプログラミングモデルで記述する方法を見出した。 2014年度は、いくつかの最適化手法について有効性を示した。また、条件を一部変更しつつ繰り返しシミュレーションを行う際に、以前のシミュレーション過程を再利用することで、所要時間を大幅に削減する手法を開発した。また、手法をソーシャルネットワーク上の情報伝播シミュレーションに適用した。 2015年度は、ストレージ(HDD, SSD等)のみならず、より高速なメモリを主に用いる汎用分散処理システムの上で動作させることに成功した。これにより、シミュレーション性能は大幅に向上した。加えて、汎用分散処理システムの機能・性能向上に従って、シミュレータの機能・性能も向上していくという利点を実証することもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度までは、シミュレータの開発よりも手法の開発が先行していたが、2015年度、シミュレータの開発を達成し、手法の有効性を示すこともできた。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度の実験を継続する。
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Causes of Carryover |
2013年度(60%)、2014年度(70%)、2015年度(53%)の充足率を踏まえて執行計画を調整したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査(学会等参加)または成果発表を目的とした執行をする予定である。
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