2015 Fiscal Year Annual Research Report
センサベース行動パターン解析に基づく生活機能スコアの統計的予測
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25700026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下坂 正倫 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (40431796)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 実世界情報処理 / 統計的行動情報処理 / 機械学習 / 行動センシング / 屋内測位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,住宅内に設置したセンサとスマート携帯端末等で得られる人の行動に関するセンサ情報をもとに,生活機能スコアの統計的予測モデルを構築することである.今年度は2014年度までに開発した統計的モデリング手法を発展させつつ,前年度までに開発したセンサシステムに関しても改良を進めた.大規模実験に向けた準備を進めた.
センサシステムに関する成果を述べる.今年度は,昨年度から利用を開始した無線通信技術(BLE: Bluetooth Low Energy)に基づく屋内測位の性能検証を進めた.具体的には2014年度に提案した貪欲探索に基づくセンサ配置最適化アルゴリズムの検証を進め,国際雑誌Advanced Robotics上で成果を発表した.従来,システム導入者の経験と勘に頼っていた無線センサの設置位置を,自動的に設置位置を最適化し,さらに設置数と測位性能のトレードオフカーブを効率的に算出する.論文ではZigBeeを用いて評価したが,BLEでも同様の傾向を示すことが予想され,低コストに実フィールド実験の実施が可能となることが期待される.屋内測位と並行してモバイル端末の標準的なAPIを通じて計測できる行動センシングとして,例えばGPSや加速度,地磁気センサなどの情報を記録するシステムのフィージブルスタディを実施した.具体的には10名程度の被験者の行動を1ヶ月程度記録する実験を実施した.さらに年度終盤にかけ,複数人居住の高齢者数名を対象としたフィージブルスタディに向けた準備を行った.高齢者を対象とする行動データの取得は2016年度初頭にデータ収集を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システムの開発・統計的手法の開発などについては当初の予定通り進めておりますが,大規模な評価を実施するための被験者集めについては早急に進めていく必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
システム・アルゴリズムに関して当初の予定通り研究が進められている.医学系研究者等との連携を強め,実証実験の被験者の確保を早々に進める必要がある.
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Causes of Carryover |
電波強度に基づく行動センシングシステムの開発リソースを割き,平成28年度の実証実験で生じる可能性の大きいセンサ調達費や謝金といった予算を次年度額を確保することに努めました.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度までに開発したシステムの完成度が高まってきたので,高齢者の実際の行動をセンシングする,実証実験を順次行っていきます.
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