2015 Fiscal Year Annual Research Report
ベシクルを介した微生物間ネットワークの解明とそのデザイン方法の創出
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25701012
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
豊福 雅典 筑波大学, 生命環境系, 助教 (30644827)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | メンブランベシクル / 微生物 / 微生物間相互作用 / 細胞間シグナル伝達 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は微生物が細胞外に生産するベシクル(膜小包)を介した微生物間ネットワークを解明し，そのデザイン化を実現するための基礎的な研究を行う。ベシクルは多くの微生物が生産していると思われていたがその実態については解明されていなかった。そこで，本研究では水処理に関わる活性汚泥を中心に，微生物によるベシクル生産および，ベシクルを介した相互作用，またベシクル設計・加工技術の基盤を構築することを目指した。その結果，MV生産菌を活性汚泥から同定することに成功し，微生物間相互作用における役割を明らかにした。さらには，ベシクルの新規生産機構を発見し，そこに関わる遺伝子を同定した。ベシクル生産機構についてはこれまでに多くのモデルが存在したものの，我々が発見したベシクル生産遺伝子は多くの微生物間で保存されているため，微生物共通のメカニズムである可能性がある。ベシクル生産遺伝子を様々ば細菌で発現させることで，ベシクル生産を大幅に誘導することにも成功し，ベシクル設計・加工技術の基盤が構築できた。加えて，微生物の表層の特性を変化させることで，そこから生じるベシクルの特性も改変できることを明らかにした。以上の技術を統合することによって，ベシクルを介して微生物間相互作用をコントロールできる可能性が見出された。得られた成果は微生物学のみならず，リポソーム工学にも貢献することが期待され，水処理技術においては，微生物群集の効率的な制御に用いることができる可能性がある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に成果が挙がっており，学会や論文発表を行っている。また，ベシクルの生産機構を解明したことによって，研究が大きく展開し，世界的にもこの分野をリードする体制となったために，順調に研究が進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
ベシクル生産に関与する遺伝子を同定したことによって，様々な細菌でベシクル生産メカニズムを検証できるようになった。今後は，多様な微生物でベシクルの機能を解析する。また，ベシクル生産を誘導する系も確立できたため，バシクルをバイオマテリアルとして利用するための，プラットフォームを構築する。
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| Causes of Carryover |
補助事業は概ね順調に進み，多くの成果を生んだ。とりわけベシクル形成に関わる遺伝子を同定するなど，分野内で一定のインパクトを及ぼしている。成果をより精緻に達成するためには遺伝子の機能を解明し，様々な微生物種で再現性をとる必要がある。従って，次年度の実験，学会発表，論文投稿・掲載料を確保するために，補助事業延長を行った。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として分子生物学関連などを購入し，ベシクル生産解析およびベシクルの機能解析を行う。また，積極的に学会発表を行うための予算，論文投稿の予算として，ぞれぞれ旅費，その他で使用する。
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[Journal Article] Explosive cell lysis is a novel mechanism for the biogenesis of membrane vesicles and biofilms2016
Author(s)
Turnbull L, Toyofuku M, Hynen AL, Kurosawa M, Pessi G, Petty NK, Osvath, Carcamo-Oyarce G, Gloag ES, Shimoni R, Omasits U, Ito S, Yap X, Monahan LG, Cavaliere R, Ahrens CH, Charles IG, Nomura N, Eberl L and Whitchurch CB
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 7
Pages: 電子版
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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