2013 Fiscal Year Annual Research Report
体内埋込型ワイヤレス皮質脳波計測装置を前提としたBMI外部機器制御システムの研究
Project/Area Number |
25702035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松下 光次郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 招へい研究員 (30531793)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ブレイン・マシン・インターフェス / 体内埋込装置 / 姿勢推定 / 福祉機器 |
Research Abstract |
本研究は,生体信号・身体動作・環境情報・機器動作の関係性を制御系に反映させることでBMI外部機器制御システムの性能向上を目指すものである.そのため平成25年度は,「ウェアラブル・センシング・システム」「体内埋込型ワイヤレス皮質脳波計測装置に基づく基本機器制御システム」など身体・環境の計測・解析の技術基盤(ハードウェア・ソフトウェア)の構築を行った. ウェアラブル・センシング・システムは, 身体動作を計測する9軸モーションセンサ(加速度センサ3軸・地磁気センサ3軸・ジャイロセンサ3軸)と, 環境状態を計測する小型カメラにて構成される.9軸モーションセンサは,2種類の姿勢推定(加速度センサと地磁気センサによる姿勢推定・ジャイロセンサに基づく姿勢推定)および主成分分析による動作特徴の抽出に利用される.一方,小型カメラは色・形状・光量など環境状態を得るために利用する.ハードウェア構成として,9軸モーションセンサは衣服の各体節上に取り付けられ,カメラは機器の運用に応じて様々な箇所に取り付け可能となる.両センサともに携帯用小型PCにてデータ取得される. また体内埋込型ワイヤレス皮質脳波計測装置に対して下記3機能を付加することで,生体信号・身体動作・環境状態・機器動作の同時計測から制御性能の向上につながる特徴を解析するシステムを構築した.一つめは,動作推定システム(周波数解析・サポート・ベクタ・マシン)とサーボモータ制御システムを導入した基本的な外部機器制御システムの構築.二つめは,体外においても10μVレベルの微小信号を計測可能となるようにEMC対策を施し,頭皮脳波や表面筋電位信号などの生体信号計測への適用拡大.三つめは,上記したシステムの統合による生体信号・身体動作・環境状態・機器動作の同時計測の実現.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書(平成25年度)に記載した平成25~28年度において研究課題を進める順序を少々変更したが,現在までの達成度は「おおむね順調に進んでいる」といえる. 変更の理由としては,当初は初年度から提案するシステムを段階的に動物実験に適用していく予定としていたが,段階的に行うと動物実験の特殊条件に多くの時間が割かれてしまうという問題も生じると判断したため,まずは開発者自身が随時計測できる生体信号の表面筋電位信号を対象としてシステムの構築・検証,システム運用における信頼性や耐久性などの確認を行うこととした. そのため,平成25年度は「ウェアラブル・センシング・システム」「体内埋込型ワイヤレス皮質脳波計測装置に基づく基本機器制御システム」など身体・環境の計測・解析の技術基盤(ハードウェア・ソフトウェア)の構築を主体とした.平成26年度は,表面筋電位信号を対象として制御システムの構築や検証・長期運用試験を行う予定である.そして,システムの完成度を確保したうえで,平成27年度以降に動物実験を始める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,各機器運用に応じた生体信号・身体動作・環境状態の関係性を明らかにし,それら特徴を制御系に反映させ,生体信号に基づく機器制御の性能を向上させることが課題となる.そのため,まずは「ウェアラブル・センシング・システム」「体内埋込型ワイヤレス皮質脳波計測装置に基づく基本機器制御システム」の長時間連続使用を行い,システムの信頼性および耐久性などの運用性能の向上を試みる.なお,皮質脳波計測を行うことは困難であるため,代替として長時間計測可能な表面筋電位信号を対象とする. 次に,上記統合システムを用いて,生体信号・身体動作・環境状態・機器動作の同時計測から安定な制御を実現するための条件を分析する.その上で,結果に基づく自律制御系を構築し,従来の生体信号のみに基づく機器制御と比較することで,その性能を証明する. またBMIの実用化を目指す上で,症状に応じた要求仕様・環境条件・ニーズを明確にし,それら条件に即したBMI用外部機器(身体補助装置/環境制御装置)を開発することも重要な課題である.そのためにBMIを必要とする患者の症状・QOLを把握し,その情報を基に身体モデル・環境モデルを作成し,シミュレーション上にて外部機器制御の評価を行えるシステムを構築する.その上で,身体動作・環境状態・機器動作の関係性を見つけ出し,BMI外部機器制御のための自律制御系の構築につなげるものとする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度と平成26年度において進める研究課題の順序を変更したために,当初,平成25年度に購入予定であった機器制御用PCや身体運動計測装置が平成26年度の購入となった. 実験に必要となる台数を確保するため,制御・解析用PC(レッツノートSX:30万円x2台=60万円),身体計測装置(9軸モーションセンサMPU-9150:5000円×40個=10万円・マイコンMBED×12個=10万円・計測用小型PC DYNABOOK TAB VT484:10万円x2個)の購入を予定している.
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Research Products
(1 results)