2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウォームアップ効果の生理学的機序の解明と競技特性に合致したプロトコルの確立
Project/Area Number |
25702038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
宮本 直和 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20420408)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウォームアップ / 筋疲労 / ストレッチング / 筋硬度 / 筋活動 / 筋酸素動態 |
Research Abstract |
アスリートらが競技前に行う準備運動(ウォームアップ)は、科学的根拠が欠如しているため、経験に基づき決められていることが多く、競技特性(瞬発系-筋持久力系-持久系)も考慮されていない。本年度は、瞬発系パフォーマンスの指標である筋パワーについて、高強度短時間のウォームアップ法の影響、および、日常的な高強度レジスタンストレーニングが高強度短時間のウォームアップの効果に及ぼす影響について検討した。その結果、最大努力による発揮筋パワーは、事前に5秒程度の最大筋力発揮を行い、1~3分の休息を設けることで約5%程度増加することが明らかとなった。高強度短時間のウォームアップ収縮が3秒や10秒の場合には有意な増加が見られない、あるいは有意に減少した。また、この5秒程度の最大筋力発揮による筋パワーの一時的な増強は、日常的にレジスタンストレーニングを行うことで、より顕著になる(トレーニング前5%→3ヶ月のレジスタンストレーニング後:8%)ことが明らかとなった。また、跳躍パフォーマンスについては、跳躍動作前に、高強度(1回挙上重量の90%の負荷で3回)のウォームアップを行うことにより有意に増加することが明らかとなった。さらに、野球のバッティング動作においても、通常の素振りや、おもりを付けたバットでの素振りによって、その後のスイング速度は変化しないあるいは低下するが、事前に最大努力による5秒×4回の筋収縮を行うことにより、スイング速度が有意に増加することが明らかとなった。 これらの結果は、瞬発的な動作のパフォーマンスは、事前に高強度短時間の筋収縮を行い、適切な回復時間を設けると、一時的に向上することを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では実験遂行のために研究補助員あるいは研究員を雇用する予定であったが、代表者が平成25年4月に新任校へ異動となったため、研究員を雇用することができず、実験が予定通り進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度以降は研究員を雇用することができ、研究をこれまで以上に推進できる環境が整ったため、遅れを取り戻すだけではなく当初の予定以上に推進できるように尽力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定では実験遂行のために研究補助員あるいは研究員を雇用する予定であったが、代表者が平成25年4月に現所属機関へ異動となったため、研究員を雇用することができなかったため。またそれに伴い、実験が思うように進まなかったため。 26年度以降は研究員を雇用することができるようになり、その謝金に使用する。また、予定より若干遅れた実験を行うための被験者謝金や消耗品購入に使用する。
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