2013 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦における心身の健康増進に向けたオメガ3系脂肪酸による無作為化比較試験
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25702043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
西 大輔 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所精神保健計画研究部, システム開発研究室長 (40450605)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | うつ病 / 母子保健 / 精神保健 / 栄養学 / オメガ3系脂肪酸 |
Research Abstract |
中国医薬大学(台湾台中市)のKuan-Pin Su教授と連携し、日本と台湾で同一の研究プロトコルにそって研究を実施するためのプロトコルを確定させ、同一の調査用紙およびデータマネジメントシステムを完成させた。 また、日本と台湾でうつ症状を評価する構造化面接のトレーニングを行い、構造化面接のビデオの台湾語版を作成し、独立して実施した評価の結果を検討することで、日本と台湾で合わせて5人の評価者の評定者間信頼性が高いことを示した。これによって、5人の評価者が別々に妊婦のうつ症状の評価を行っても、評価者による差は許容範囲内にとどまることが担保された。 また、日本では妊婦に対するオメガ3系脂肪酸の介入研究は初めてであるため、万全を期すためランダム化比較試験に先だって安全性を確認するオープン試験を実施することとし、その臨床試験登録を行った(ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01948596)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度は、東京医科大学付属病院(新宿区)の産科に通院する妊婦において、エジンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)が9点以上の妊婦の割合が先行研究と比較してもかなり低いことが明らかとなった。日本人の平均と比較して社会経済的に恵まれている妊婦が多いことが影響していると推測された。 また、妊婦本人から研究参加同意が得られたにもかかわらず、後日になって夫の不同意のため研究参加を中止せざるをえないケースが少なからず発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度中に、東京医科大学倫理委員会に研究計画の修正を申請して承認を受け、東京医科大学の関連病院で通院妊婦数が多く社会経済的にもわが国の平均に近いと考えられる戸田中央産院(埼玉県戸田市)でも妊婦をリクルートできる体制を整えた。 また本人だけでなく夫の理解も得やすくするため、介入研究開始前に質問紙および構造化面接による観察研究を実施し、時間をかけて本人・夫と信頼関係を構築し、研究への理解をいただく方策を立てた。 また、戸田中央産院のホームページに本研究の紹介を掲載し、今後は自治体広報などのメディアも活用する予定である。 これらの方策によって、平成25年度に発生した問題を乗り越え、平成26年度は研究を加速させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費に関しては、オメガ3系脂肪酸ならびにプラセボのカプセルが、市販品と比べても非常にリーゾナブルな価格で作成されたことが影響している。 人件費・謝金については、達成度が遅れている理由にも述べた通り、東京医科大学付属病院産科において適格基準を満たす妊婦が想定よりかなり少なかったことが影響している。その他については、臨床研究保険への加入が不要となったことが影響している。 平成26年度は、前述の通りさまざまな方策を立てて研究を加速させる予定であり、研究参加者数の増加にともなって人件費・謝金は増加する。 また、その他としては、安全性担保のために行うオープン試験の血液解析に使用する予定である。
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Research Products
(25 results)