2013 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の加齢変化の個人差を生むメカニズムの解明-10年間の追跡に基づく検討-
Project/Area Number |
25702045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅原 順 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (00357261)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 加齢 / 身体活動 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
加齢に伴う動脈硬化の進行は循環器疾患発症の危険因子となる。一方、習慣的な身体活動の実施によって中高齢者の動脈硬化を改善し得るが、一方で、動脈硬化の進行度や身体活動による改善効果には個人差が存在することも明らかになっている。これらの機構の解明は、テーラーメイドの効果的な循環器疾患発症予防策の構築につながる。本研究では10年間の長期観察に基づき、動脈硬化度の加齢変化の個人差おける遺伝的要因(遺伝子多型)と後天的要因(身体活動水準)の関与、および両者の相互連関を探る。これにより、加齢に伴う動脈硬化の進行を効果的に抑制し、循環器疾患発症を予防する個別対応型(テーラーメイド)のライフスタイル処方の構築を目的とした。 H25年度は、H15 年度に測定を実施した約100名を対象に、動脈硬化度、身体活動量、唾液サンプル等のデータ収集を行う計画であった。しかしながら、遺伝子情報を扱う点、および被験者に対する測定結果のフィードバック(疾病に関わる指標の返却)という点で、所属機関の倫理委員会の実験実施の承認を得るのに時間がかかった(承認日:H25年12月3日)。測定値への季節変動の影響を抑えるために、測定実施時期を出来る限り前回の実施時期と一致させることがのぞましいことから、多くの被験者において、H25年度の実施を見送らざるを得なくなった。そのため、最終的には12名の測定にとどまった。ただし、研究を10年間の縦断的観察に、横断的な検討(同年代の者を遺伝多型およびライフスタイルの違いで比較)を加えることで、分析結果の強化を図ることにした。そのために新規の被験者のデータ収集も平行して行った。新規被験者は24名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遺伝子情報を扱う点や測定結果の情報開示などの点から、所属機関の倫理委員会から実験実施の承認を得るのに時間がかかった(申請日H25年1月、承認日:H25年12月4日)。測定指標に対する季節変動の影響を最小限にするため、前回と出来る限り同じ時期に測定を実施する必要があり、H25年度中の測定実施を見送らざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
測定のルーチン化ができていることから、被験者との参加調整がうまくいけば、順調に研究を推進できることは間違いない。10年前の測定後、転居などで連絡がつかない被験者も多いことが予想されることから、当初の目標人数を達成できない可能性がある。縦断研究での十分なサンプルサイズ確保が出来ない場合も想定し、エビデンスの強化という意味で、横断的検討を加える(同年代の者を遺伝多型およびライフスタイルの違いで比較)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
倫理委員会による研究実施の承認に遅れが生じ、実験の実施が遅れた。そのため、予定していた消耗品の購入などを見送った。 すでに倫理委員会の承認は得ることが出来たので、被験者のリクルートを計画的に行うことで、予算の執行も順調に進めることが出来る。
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