2015 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の加齢変化の個人差を生むメカニズムの解明-10年間の追跡に基づく検討-
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25702045
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅原 順 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (00357261)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 加齢 / 身体活動 / 遺伝子多型 / 心血管疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢に伴う動脈硬化の進行は循環器疾患発症の危険因子となる。一方、習慣的な身体活動の実施によって中高齢者の動脈硬化を改善し得るが、一方で、動脈硬化の進行度や身体活動による改善効果には個人差が存在することも明らかになっている。これらの機構の解明は、テーラーメイドの効果的な循環器疾患発症予防策の構築につながる。本研究では10年間の長期観察に基づき、動脈硬化度の加齢変化の個人差おける遺伝的要因(遺伝子多型)と後天的要因(身体活動水準)の関与、および両者の相互連関を探る。これにより、加齢に伴う動脈硬化の進行を効果的に抑制し、循環器疾患発症を予防する個別対応型(テーラーメイド)のライフスタイル処方の構築を目的とした。 本年度は、これまでの収集した生理学データの解析、およびSNP解析のための予備実験を行った。SNP解析系に関し、ET-A、ET-B、ECE-1、ER-a-401、ADRB2について、ポジコン配列を持つ人工合成遺伝子を用いて検出可能な系を構築した。新規のデータ収集は2名であった。 これまでに収集した動脈硬化度のデータを用いて、動脈スティフネスの加齢変化の部位差や有酸素性持久力との関連性について学会発表を行った。また、この論文は現在投稿中である。また、近位大動脈のスティフネス指標(既存の方法の修正版)を提案し、その臨床医学的意義を調べた。その成果をH28年6月に臨床血圧脈波研究会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生理学データの収集を優先したので、まだ遺伝子解析を開始していない。
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Strategy for Future Research Activity |
200名程度のサンプルでも当初設定した仮説を検証し得る方法として、複数の遺伝子多型を組み合わせ得点化し、動脈硬化度の加齢変化との関連性を調べる統計学的手法を用いる。
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Causes of Carryover |
これまでに収集したデータ(遺伝子多型データを含む)の解析を行うため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでに収集したデータ(遺伝子多型データを含む)の解析を行い、成果発表(学会発表、論文発表)を進める。それに掛かる費用を捻出する。
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