2014 Fiscal Year Annual Research Report
携帯型端末機に対応した本物に魅せる3Dデータの制作・表現手法の研究
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25704004
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
山田 修 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (30571723)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 文化財 / コンテンツ・アーカイブ / 3D / 芸術諸学 / 情報工学 / CG / VR / 携帯型端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に東大寺中性院弥勒菩薩立像を例に3Dデータを用いたコンテンツの配信のための手法について研究を行った。本像は数十もの部材で構成されており、その構造の様子を携帯型端末機にてVR表示し、ボタンによってパーツが分離し像の構造を示すものである。形や色のデータ自体の制作だけでなく、アニメーションデータの制御、カメラ移動の操作、パーツ動作、ユーザーインターフェースのプログラムも開発し、iPadに実装し実証実験を行なった。その結果、動作において適切なデータ量を見極めることができ、操作方法においても明確な指針が立てることができた。 また前年度同様に漆箔、玉眼(水晶嵌入)の手板サンプルを制作し、光沢感や透明度またそれに関する反射状況の研究に役立てていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目標としていた基本コンテンツ化の技術の点で目標を達成しており、あとはまた国内外のコンテンツや先端技術の動向を踏まえた上で、ネット上の公開へ向けてクオリティを高めていくことを目指すだけである。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはコンテンツの種類を増やしていき、その都度必要に応じプログラムを開発し、ライブラリー化することで、さまざまな状況に応じたコンテンツを制作していく必要がある。またなるべく多くの人たちに実際に利用してもらい要望を出してもらうことで、広く多くの人々に実際に利用されるコンテンツの制作手法の確立を目指す。 また日本だけでなく、世界で行なわれている作品や研究を視察し、今後の動向を見極めることで、付加的な要素を組み込んでいきたい。
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Causes of Carryover |
昨年度に海外におけるコンテンツや制作技術の動向を知るために国際学会や展示会に参加する予定であったが、大学業務とのスケジュール調整がうまくいかず、次年度に持ち越す結論とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度に持ち越すことで、現在までの成果と世界での動向を比較することができるため、より有意義な評価ができると考えている。特にデジタルの分野では1年違うだけで、技術が革新的に変化することがあるため、情報が最新であればあるほど正確な技術検証が可能となる。予定では9月にオーストリアのリンツで開催される芸術・技術・文化の祭典であるアルス・エレクトロニカ(Ars Electronica)や11月に神戸で行なわれるシーグラフアジア2015に参加予定である。
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