2015 Fiscal Year Annual Research Report
携帯型端末機に対応した本物に魅せる3Dデータの制作・表現手法の研究
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25704004
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
山田 修 東京藝術大学, 総合芸術アーカイブセンター, 研究員 (30571723)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンテンツ / アーカイブ / 文化財 / CG / VR / 携帯型端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は本研究の重要なテーマである仏像の3Dデータを携帯端末機に実装し、コンテンツとして配信を行うことを中心に行った。コンテンツ開発はUnityで行い、端末機はApple社iPhone、iPad、iPod touchを用いて実験した。動作自体は数百万ポリゴンのデータで4Kのテクスチャを数枚用いても問題ないが、配信となると端末側の環境のこともあり、適切なデータ量を見極めるために多くの調整を試みた。今回静岡県浜松市の摩訶耶寺金剛力士立像をテーマに『摩訶耶寺の仁王さま デジタル「御守り』をアップロードし、Apple社のApp Storeで配信した。 さらに福島県磐梯町で開催した「とくいつ藝術祭」において、iPod touchをデバイスとして使うことでインタラクティブに茨城県真壁町虚空蔵菩薩坐像を壁面に表示する展示を行った。コンテンツ自体には問題はなかったもののハードウェア自体の耐久性の方に難がみられ、展示方法においては今後に課題を残すことになった。 また質感の追求も多種にわたり検討を重ねた。鏡面、陶磁器、金属といった素材に対してもマイクロスコープによる観察や蛍光X線分析を行うことで素材を同定することで、テクスチャ制作に生かした。 さらにデジタル写真測量の技術についても探求し、中国西安、洛陽にて撮影した主に隋から唐代における石仏等の画像解析を行い3Dデータ化を行い、今後の携帯端末へのデジタル化の活用方法について研究を行った。撮影方法、画像解析方法まらその後のデータ編集等において一定の作業手法を確立したが、より高いクオリティを求めるために更なる研究余地があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に予定していたコンテンツの配信を行うことが可能になり、今後多くのコンテンツを配信するとともに、クオリティを高めていくことが望まれる。そのためには更なる研究期間を必要とし、より多くの調査、制作を重ね、当初計画以上の成果を出すことを努力しなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在携帯型端末機を対象にし、Apple社のApp Storeでのコンテンツ配信としているが、裾野を広げWEBによる可能性も追求していかなければならない。またプロジェクター、ヘッドマウントディスプレーに代表されるウェアラブルコンピュータについてもその可能性を展開していくことで、次世代に対応した展示方法を追及していくことを目指す。
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Causes of Carryover |
ここ一年、使用しているOS、ソフトウェアや携帯型端末機の仕様や性能が著しく変化する中で、一定の指針に基づいた使用を見極めるのが困難であったため、今年度システムの安定した作業環境で使用を確立していくことを試みたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
多様化している今日の動作環境の中でコンテンツの汎用性を高めるために、開発用のソフトウェアや動作するハードウェアの仕様を見極めて確立して行く。また成果発表となる国際シンポジウムへの出品作品の制作費、参加費として身仕様金を充てることにしたい。
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Research Products
(2 results)