2014 Fiscal Year Annual Research Report
スカンディナヴィアとその影響圏におけるルーン石碑の総合研究
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25704012
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
小澤 実 立教大学, 文学部, 准教授 (90467259)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スカンディナヴィア / ルーン / ヴァイキング / デンマーク / スウェーデン / イングランド / 中世 / ロシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度よりすすめているスカンディナヴィア本土のルーン石碑のデータ整理を継続するとともに、スカンディナヴィア内外の海外調査、中間成果の口頭報告、そして論文執筆をおこなった。 海外調査では、5月にフィンランドとイギリスに渡航し、フィンランドでは現地博物館でルーン碑文を調査するとともに、イギリスでは大英博物館で開催されていた「Vikings: life and legend」においてルーン碑文を含むヨーロッパ各地から収集されたヴァイキングの遺物を展観した。9月にはスウェーデンのスーデルマンランド地方を踏査し、建立石碑の画像データを蓄積した。口頭報告としては、9月にニーシェーピングで、The 8th International Symposium on Runes and Runic Inscriptionsに参加し、How many rune stones Swein Forkbeard raised?と題したポスター報告を行った。また、本研究の成果を間接的延長的に用いることにより、6月に「国家・論争・知識人 17世紀デンマーク王国とネーデルラント共和国におけるテクスト生成に関する比較考察」、7月に「歴史学と地名学の間 イングランドの北欧起源地名に関する近年の研究から」、12月に「戦後日本の北欧中世像」、3月に「高校世界史教科書における中世ヨーロッパの位置」を報告した。活字成果として、「国際ワークショップOld Icelandic texts in Medieval Northern Europeを終えて」を執筆して現在の研究の方向性を確認するとともに、「12世紀変革論の現在」を刊行し、「How many rune stones Swein Forkbeard raised?」、「ルーン石碑から見た「東方」とロシア」、「交渉するヴァイキング商人」を提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スウェーデンでの会議に参加することにより、スウェーデン全土のルーン石碑データを入手することが可能となり、なおかつ、ポスター発表(その後タイトルを変えて論文とした)「How many rune stones Swein Forkbeard raised?」によってデンマーク王権の石碑建立政策の一端を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の方向性を引き継ぎ、ルーン石碑生産の中核であるスカンディナヴィア本土のデータ整理を進めるとともに、スカンディナヴィア影響圏における石碑の建立状況の調査も進める。中核と影響圏との関係を明確にするために、とりわけデンマークとその周辺との関係をあきらかにする論考をまとめる予定である。 また次年度使用額を変更したのは、次年度に必要書籍を購入する必要が生じたためである。
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Causes of Carryover |
急遽必要な研究書を購入したが残額を上回っていたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度基金分と合わせて必要額を支出する。
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