• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Annual Research Report

An Cultural Anthropological Exploration of Certainty in Modern Medicine

Research Project

Project/Area Number 25704019
Research InstitutionInternational University of Health and Welfare

Principal Investigator

磯野 真穂  国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (50549376)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2018-03-31
Keywords不確実性 / リスク / 循環器疾患 / 心房細動 / 抗血栓療法 / 科学技術 / 疫学統計
Outline of Annual Research Achievements

疫学統計に基づき未来を予測する予防医学の広まりに伴い、早期発見・早期介入の呼び声の元、心身の不調を何も感じていない個人にまで医学はその対象を広げている。しかしその一方で、その介入が確立に基づくものである限り、介入をしたら懸念されている疾患にならない、逆に、介入をせねば懸念されている疾患に罹患しないと言い切ることはできない。その意味で不確実性は常に残存する。
このような背景に基づき本研究は主に循環器疾患でのフィールドワークを中心に医療現場および患者の日常生活においていかに扱われるのかを明らかにすることを目指した。
5年間にわたるフィールドワークを通じて明らかになったのは、①医療者から患者への不確実性を伴う介入は、エビデンスのそのものの提示ではなく、むしろエビデンスのナラティブ化により信頼性が担保されていること、②患者は将来自分が何か重篤な病気になるかもしれないという不安を、身体感覚・知識・情報をそのつど組合せ、ありあわせの疾患理解を作り上げることを通じて対処しているということであった。またその一方で、エビデンスが作られ、かつ伝達される際の政治的な側面は、医療現場ではミュートされる傾向にあった。
本研究を踏まえた今後の研究の方向性としては、ある科学的知識が伝達される際の、受け手側の感情的な側面、およびその知識をもとに作り出される未来図を、エビデンスが作り出される現場、および伝えられる現場という包括的な空間において、描写する試みが必要であろうと思われる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 降圧薬に対する患者の理解の質的考察 循環器外来と漢方外来を訪れる患者の降圧薬についての語りの質的解析を通して2018

    • Author(s)
      磯野真穂,上田みどり
    • Journal Title

      コンタクト・ゾーン

      Volume: 10 Pages: in press

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 臨床家のための質的研究(後編)まず「問い」から始めよう2017

    • Author(s)
      磯野真穂
    • Journal Title

      医学教育

      Volume: 48(2) Pages: 91-99

    • Open Access
  • [Presentation] 「脈」をめぐる医師と患者のすれ違い―循環器疾患のフィールドワークをめぐって2017

    • Author(s)
      磯野真穂、上田みどり
    • Organizer
      日本熱帯医学会大会プログラム抄録集
  • [Book] 医療者が語る答えなき世界2017

    • Author(s)
      磯野 真穂
    • Total Pages
      240
    • Publisher
      筑摩書房
    • ISBN
      4480069666

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi