2013 Fiscal Year Annual Research Report
感情障害への認知行動療法の統一プロトコルの有効性とその治療機序・神経基盤
Project/Area Number |
25705018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
伊藤 正哉 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 室長 (20510382)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 認知行動療法 / 不安障害 / うつ病 / 感情調整 / 治療機序 / 神経基盤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不安障害とうつ病への最先端の認知行動療法である統一プロトコルの日本人における有効性を臨床試験により検討し、その治療機序と神経基盤を解明することである。初年度である本年度は、これまで実施してきた予備研究の経験を踏まえ、ランダム化比較試験のための研究プロトコル作成を行い、倫理委員会の承認を得て(国立精神・神経医療研究センター倫理委員会承認番号A2013-092)、ClinicalTrial.govにおいて臨床試験登録を行った(NCT02003261)。 その他、ランダム化比較試験の進行のために必要となる様々な準備を行った。具体的には、以下の通りである。ランダム化の手法や運用について検討し、慶応義塾大学クリニカルリサーチセンターが提供するWeb上での割付プログラムを利用することとし、試行を重ねて運用体制を整えた。独立評価者の訓練のために、評価者は専門の研修に参加し、当施設でも継続的に訓練を行った。治療者の訓練については、予備研究で実施してきた体制を継続し、毎週のスーパービジョンや録音したセッションの遵守評価を行ってきた。様々なデータを管理するために、データベースの構築を行った。 附属研究として行う神経基盤についての検討については、評価項目や手法の確認を協同研究者と進めてきた。本年度は、国立精神・神経医療研究センター脳病態統合イメージングセンターの委員会にて研究概要を発表し、当施設のfMRI使用についての審査を受けた。 治療機序を検討するために、治療プロセスを検討するいくつかの尺度を厳密なバックトランスレーション手続きに基づき実施した。この中には、Emotion Regulation Skills Questionnaire、Anxiety Sensitivity Index-III、Homework Compliance Scale等が含まれる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、本年度はランダム化比較試験のための研究プロトコル作成を行い、倫理委員会の承認を得て(国立精神・神経医療研究センター倫理委員会承認番号A2013-092)、ClinicalTrial.govにおいて臨床試験登録を行った(NCT02003261)。 その他、ランダム化比較試験の進行のために必要となる様々な準備を行った。具体的には、以下の通りである。ランダム化の手法や運用について検討し、慶応義塾大学クリニカルリサーチセンターが提供するWeb上での割付プログラムを利用することとし、試行を重ねて運用体制を整えた。独立評価者の訓練のために、評価者は専門の研修に参加し、当施設でも継続的に訓練を行った。治療者の訓練については、予備研究で実施してきた体制を継続し、毎週のスーパービジョンや録音したセッションの遵守評価を行ってきた。様々なデータを管理するために、データベースの構築を行った。 これらのように準備が整ったことにより、この臨床試験について平成25年12月にリクルートおよび登録を開始した。平成25年度は、19例の患者紹介があり、その内9例が登録となり、評価および割付を順次進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も、策定した研究プロトコルに基づき、臨床試験を継続する。神経基盤を検討するための脳画像評価については昨年度の段階ではまだ実施に至らなかったが、本年度の前期までには開始したいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度、臨床試験を開始することができたが、12月からの開始となったため、患者登録以後に必要とされる諸経費(評価者への謝金、資料整理のための謝金、資料作成代、コーディネート等)の使用が想定よりも少なかった。その他、業務の効率化により、想定よりも支出を抑えることができた。 次の年度は、年度開始から研究協力者のリクルートを一年を通して行うため、研究協力者の増加に伴って、上記の諸経費が発生する。特に、次年度とその次の年度ではこうした研究協力者のリクルートが最も多く見込まれるため、それに当てて支出する計画である。また、プロトコル論文の出版や、学会での発表等の準備も整いつつあり、これにかかる経費に使用する計画である。
|