2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25705022
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
甲斐田 幸佐 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (80586264)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 睡眠 / 記憶 / 感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レム睡眠の選択的な抑制(レム断眠)が感情記憶の銘記と忘却に与える効果を明らかにすることを目的とした。同時に、レム断眠が連合記憶に及ぼす効果を検証した。本年度は、前年度までに実施した実験データを詳細に解析した。データの解析は、記憶の再認率、記憶に用いた刺激の感情価、脳波(デルタ波、睡眠紡錘波、シータ波)、連合記憶課題成績であった。解析の結果、感情写真記憶および連合記憶の記銘能力は、前夜の全断眠に影響を受け、低下することが明らかになった。しかし、両記銘能力はレム断眠の影響は受けないことが分かった。この結果は、ヒトの感情記憶や連合記憶の記銘には前夜のレム睡眠ではなく、ノンレム睡眠が大切であることを示している。本研究結果は、連合記憶の記銘には前夜のノンレム睡眠が重要であるという従来の知見を追認しただけでなく、感情記憶の記銘には、レム睡眠よりもノンレム睡眠が重要であるということを明らかにした。さらに、断眠が記憶の銘記に与える影響は、刺激の感情価に関わりなく生じることを確認した。レム睡眠と感情記憶の記銘の関係を検討した研究はこれまでに例がなく、本研究の新しさある。本研究の結果は、レム睡眠と感情記憶の記銘が関係していないことを示しており、レム睡眠が記憶の記銘に及ぼす影響については今後、さらに検討していく必要がある。本研究の結果は、アメリカ睡眠学会、日本睡眠学会等で発表し、その後、原著論文として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文の執筆を終え、さらに詳細な検討を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、感情記憶や連合記憶のほかに、視覚運動記憶を追加し、レム睡眠の機能を調べる。
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Causes of Carryover |
追加データ解析にかかる人件費、結果の学会発表および購入設備費が必要なため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度9月までに残額をすべて使用する計画である
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