2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25706013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新田 英之 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任講師 (00582446)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロチップ / 花粉管 |
Research Abstract |
本研究の目的は、花粉管誘引物質であるLUREペプチドが花粉管を誘導するメカニズムを分子レベルで解析するため、MEMS技術を用いて花粉管と同じスケールのマイクロチャネルを有する流体チップを製作し、その一次元空間内での花粉管挙動の安定した観察と誘引物質の定量的解析を可能とし、植物の受精・生殖機能解明へのブレークスルーを実現することである。25年度は、花粉管個々の振る舞いを定量的に解析するためのマイクロ流路デバイスを製作し、流路内一次元空間に花粉管を一細胞ずつ閉じ込めることにより、その伸長速度の定量解析を実現し、雌組織から放出される誘引物質のマイクロ流路内での濃度分布を評価する手法を確立した。また、誘引物質による花粉管の誘因現象を確認することができたため、誘引物質濃度や濃度勾配と、その伸長方向に与える影響の実時間観察と定量解析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、マイクロ流路デバイスを用いた花粉管の伸長速度の定量解析や、雌組織から放出される誘引物質のマイクロ流路内での濃度分布を評価する手法を確立しており、誘引物質による花粉管の誘因現象を確認することができたなど、当初の予定していた計画に沿って進展している。さらに、誘引物質による花粉管の誘因現象を確認することができたため、誘引物質濃度や濃度勾配と、その伸長方向に与える影響の実時間観察と定量解析という、次のステップへのスムーズに移行する見通しがたっているため、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、おおむね順調に進んでいるため、研究計画について大きな変更はないが、マイクロデバイスのデザインについて、若干の変更を行う。これまでT字型の流路で花粉管誘因実験を行っていたが、誘引物質であるLUREが花粉管に到達するタイミングというパラメタも制御する必要が生じたため、伸長している花粉管の真横から、任意のタイミングでLURE分子を拡散により投入することのできるデバイスの設計、製作、並びにそれを用いた花粉管誘因実験を行う予定である。花粉管がLUREに触れるタイミングと方向変化についての情報が得られたのち、T字チャネル型デバイスの設計を最適化し、当初の最終目標であるシグナリング分子のスクリーニングや定量解析を行う方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度末納品予定の複数の大型物品の納品が遅れ、26年度はじめにずれ込むと判断されたため、26年度に使用することとなった。 主に25年度末から購入を先延ばしにした大型物品と、25年度の成果を発表するための国内・海外出張のために、26年度予算の多くを使用する予定である。
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