2013 Fiscal Year Annual Research Report
光異性化分子による有機ナノ結晶の配向制御と有機薄膜太陽電池への応用
Project/Area Number |
25706019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三崎 雅裕 神戸大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00462862)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プリンテッドエレクトロニクス |
Research Abstract |
コンタクトプリント法はシリコーンエラストマーをスタンプとして用いる印刷技術であるが、ぬれ難いスタンプ上へ成膜する際にはUVオゾン処理等の表面改質が必須である。しかし、従来の表面改質法ではスタンプからの膜剥離が困難となるため、成膜性と剥離性を両立した新たな表面改質法が望まれている。当該年度では、共有結合によるスピロピランのシリコーンエラストマーへの導入を試み、ぬれ性の制御やスタンプ特性に関して検討した。 オレフィン末端基を導入したスピロピラン(SPh)を合成した。一方、ポリジメチルシロキサン(PDMS)上にポリメチルヒドロシロキサン(PMHS)をスピンコートし、熱硬化させてPDMS上にPMHS膜を作成した。その後、白金触媒を含有するSPhトルエン溶液にPMHS/ PDMS膜を浸漬して、PMHSとのヒドロシリル化反応によりPDMS上にSPh修飾PMHSを得た。 作成したSPh-PMHSの透過FT-IRスペクトルにおいて、SPhの末端二重結合に基づくピークが消失したことから、PMHSにSPhが共有結合により導入されたことが示唆された。また、SPh-PMHSの静的接触角と前進接触角では光異性化前後における変化は認められなかったが、後退接触角ではSP体表面で75°、PMC体表面で49°と光異性化前後で大きな差異がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた共有結合によるスピロピランのシリコーンエラストマーへの導入及び光異性化前後の静的・動的接触角評価などを中心とした基本計画はおおむね達成できたが、スタンプ上での成膜や基板への転写などのスタンプ特性についてはさらなる検討が必要なため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、理想的な界面制御技術とナノレベルでの結晶成長制御技術の融合を目指して、表面エネルギーの制御による選択的な結晶核生成やエピタキシャル成長による有機ナノ結晶の配列・配向化に挑戦していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
効率的な予算の執行により生じた。 次年度の研究を遂行する上で必要な消耗品の充実にあてる。
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Research Products
(6 results)