2014 Fiscal Year Annual Research Report
光異性化分子による有機ナノ結晶の配向制御と有機薄膜太陽電池への応用
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25706019
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三崎 雅裕 神戸大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00462862)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プリンテッドエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
異方構造をもつ分子材料の光・電子機能は、分子相互の空間的配置により著しく変化するため、有機分子の本来持っている物性を期待どおりに引き出すには分子配向を含めた高次構造を精緻に制御する必要がある。有機薄膜太陽電池の高効率化には、膜中における有機ナノ結晶の配向を厳密に制御することが必須である。真空蒸着法などのドライプロセスではエピタキシャル成長などを利用した有機ナノ結晶の配向制御が可能であるが、塗布形成における有機ナノ結晶の配向制御は容易ではない。当該年度は、局所的なレーザー加熱法による有機ナノ結晶の配列・配向化を検討した。熱変換前駆体をスピンコート法により成膜し、線状に集光した赤外レーザーを薄膜上部から一方向に走査することで薄膜全面を加熱した。レーザーの走査に伴い、センチメートルオーダーの範囲で方位の揃った大面積一軸配向膜を得ることができた。レーザー照射による急峻な熱勾配の方向と分子間のπ-π相互作用の方向が一致するように分子カラムを形成して高度に配向することが明らかになった。レーザー加熱法によって膜中のナノ結晶の配列・配向を制御することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー加熱法を用いることで、当該年度に予定していた有機ナノ結晶の配列・配向制御における目標は達成できたが、スタンプを用いた親疎水のパターン形成による選択的な結晶核生成とエピタキシャル成長については更なる検討が必要なため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、高効率な有機薄膜太陽電池を目指して、配向制御した有機ナノ結晶の物性を評価し、デバイスの活性層として実装を行う。
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Causes of Carryover |
効率的な予算の執行により生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究を遂行する上で必要な消耗品の充実にあてる。
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Research Products
(6 results)