2015 Fiscal Year Annual Research Report
単一100アト秒パルスを用いた超高速コヒーレント制御
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25706027
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
増子 拓紀 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (60649664)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アト秒科学 / 超高速物理 / 高強度物理 / 原子・分子光学物理 / 量子光学 / 量子光エレクトロニクス / 単一アト秒パルス / 物性物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界最短級の単一アト秒(10-18 秒:as)パルスを用いた物質コヒーレント制御を目的としている。アト秒パルスとは、真空紫外から極端紫外領域において発生する超短パルス光源であり、またコヒーレント制御とは物質の波動性を光操作する技術である。この光源は、超高速運動を伴う電子の観測や制御に適しており、新たな化学反応制御や次世代の光応答デバイス開発に繋がる期待がある。本研究期間は3年(H25-H27年度)であり、本研究実績は最終年度報告にあたる。 H25-H26年度において、単一アト秒パルス(190 as@30-55 eV)の開発を行い、 物質中の内殻電子の双極子応答計測を実現した [Nature commun. 5, 5599 (2014)]。単一アト秒パルスにより誘起された内殻電子の双極子応答は、スペクトル位相干渉法(SPIDER法)を用いることにより、振動周期・位相・緩和時間といった電子運動に関する全ての情報を取得可能となる。本成果は内核電子を用いた新たな化学反応制御の開拓に繋がる期待がある。 最終年度にあたるH27年度では、窒化ガリウム半導体においてペタヘルツ(1015 Hz:PHz)周波数を伴う電子振動観測に成功した[Nature Phys. 2016 (online掲載済)]。近赤外フェムト秒パルス(10-15 秒:fs)により誘起されるバンド間遷移分極は、単一アト秒パルスを用いた時間分解計測により観測される。その分極に伴い生じる電子振動の周期は860 asに達し、周波数は1.16 PHzに相当する。これは、過去に固体物質中で観測された振動現象としては最高の周波数を有する。半導体電子系が有する超高周波応答は、将来の時間領域における信号処理技術の高速化に応用できる可能性が有り、また半導体の新たな光機能性を実現する上で重要な知見になると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
Nature Physics 特集記事[News and Views] Title: Petahertz Electronics: Pick up speed, 著者: Oliver D. Mucke, DOI:10.1038/nphys3746
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Research Products
(17 results)