2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25706031
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桑原 真人 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教 (50377933)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スピン / 量子ビーム / 量子光デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
1) PL、PLE測定系の構築とフォトカソードのバンド構造の確認:顕微分光用クライオスタットを導入し80Kまでサンプルを冷却できるようにし、光学定盤上においてPL, PLE測定が可能な状態にした。これを用いて半導体からのPL測定を実施しバンドギャップエネルギーの確認を行った。またPLE測定を行い結合状態密度の確認を行った。 2) PL測定における非線形光学効果:PL測定において励起光源をフェムト秒レーザーに変更し、まずは第二高調波を用いてPL測定を実施し、その後基本波を励起光にして発光特性を測定した。 3) 2光子励起によるスピン偏極電子線発生実験:励起レーザーをNEAを施したInGaNフォトカソードに照射できるようにして、電子放出が起こるパワー密度を測定した。当初は通常の光ファイバーによる輸送で照射を試みたが、群速度分散の影響でパルス幅の増大により所定のパワー密度が得られなかった。そこで空芯型光ファイバーを導入することでパルス幅を数百フェムト秒に保ち照射することで電子放出が起こるパワー密度を実現した。これにより2光子励起電子の放出が実施可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PL、PLE測定系の構築とフォトカソードのバンド構造の確認や、それを使ったPL測定における非線形光学効果の測定において特段の困難なく進んでいる。また2光子励起によるスピン偏極電子線発生実験はレーザー輸送の工夫によって電子放出が起こるパワー密度を実現した。これにより2光子励起電子の放出が実施可能となる条件を達成している。このため、当初通り順調に進んでいると言える状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
二光子励起による電子線発生において、より高効率に非線形光学吸収を発生させる改善を加えつつ、レーザーパワー密度に対する発生効率の2次の非線形特性を観測する。その後、放出電子のスポットサイズに変化が見られるかを実施し、2光子励起の有効性を検証する。また、PL測定において円偏光励起によるスピン偏極電子励起の確認も実施し、スピン偏極電子発生の裏付けデータを取得する。
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