2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25707009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒向 重行 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90533563)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 赤外線 / ダスト / 巨大衝突 / 観測装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球型惑星は複数回の巨大衝突(ジャイアントインパクト)により質量を獲得すると考えられている。本研究では、これまで理論研究が中心だった巨大衝突の議論に対し、直接的な観測により新たな知見と制限を与えることを目的とする。高温高圧下でのみ生成されるシリカ(SiO2)を巨大衝突のトレーサと考え、若い系外惑星から放射されるシリカフィーチャ(波長10μm)の形状と時間変化を観測することで巨大衝突の姿を探る。観測には我々が開発中の中間赤外線装置MIMIZUKUを用いる。MIMIZUKUは視野合成機能により、これまでの地上装置を圧倒する高い精度で10μm帯スペクトルを観測することができる。本研究は中間赤外線装置MIMIZUKUの開発と、それをすばる望遠鏡に取り付けて実施するシリカフィーチャの分光監視観測による観測的研究から構成される。研究の2年目である平成26年度は、初年度の試験で明らかとなった検出器読み出しシステムの一部の性能が仕様を満たさない問題を解決するために、エレクトロニクス部の改修を実施した。また、光学系メカ部の低温下における試験を実施し、設計通りの性能が得られることを確認した。並行して検出器読み出しシステムおよび光学系メカ部の制御ソフトウエア、解析パイプラインの整備、科学観測の計画の立案も進めた。6月にはMIMIZUKUの開発の進捗をカナダで開かれた国際研究会(SPIE)にて発表した。研究3年目となる平成27年度にはすべてのユニットをMIMIZUKUに搭載して総合試験を実施した後に、国立天文台ハワイ観測所へ輸送する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請に記述した「MIMIZUKUの検出器読み出し部の再設計と再製作」および「冷却光学メカ部の開発」については計画どおりに進めることができた。期間の途中にMIMIZUKUの真空冷却装置に不具合が見つかったためメーカーにて改修が実施された。この作業に時間を要したため、検出器読み出し部と冷却光学メカ部を真空冷却装置内に組み込んでの試験とハワイ観測所への輸送は実施できなかった。一方、交付申請に記述した「制御ソフトウエアの開発」、「解析パイプラインの開発」、「科学観測の計画の立案」は順調に進んだ。以上の成果を交付申請に記述したとおり、観測装置の国際研究会SPIEにて発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はMIMIZUKUの真空冷却部、検出器読み出し部、光学系、光学メカ部、フィールドスタッカー部からなるすべてのユニットをアセンブルして総合試験を実施する。平成26年度までに実施した検出器部、光学メカ部の評価試験により、一部の電気性能が仕様を満たさないことが明らかとなったため、各箇所の修正を加えて搭載機とする。また、実際の観測に向けた装置各部の制御ソフトウエア、観測用のユーザインターフェースの開発も行う。平成26年度までに基本的なソフトウエアは完成しているが、平成27年度にはそれらを組み合わせてより効率的な観測を実施できる統合ソフトウエアを開発する。総合試験を終えた平成27年度末には、国立天文台ハワイ観測所へMIMIZUKUを輸送して、現地にて装置試験を実施するとともに、MIMIZUKUによる科学観測の計画を具体化する。平成28年度には、MIMIZUKUをすばる望遠鏡に搭載してYSOやデブリ円盤からのダストフィーチャの分光観測や測光観測を実施する。年間数回の高精度監視観測を実施することで、ダストフィーチャの時間変動の検出をめざす。得られた観測データを随時観測し、フィーチャの時間変動を生むプロセスを解明し論文にまとめて発表する。
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Causes of Carryover |
MIMIZUKUの電気系の駆動試験の結果、一部で不具合が見つかった。駆動試験がH26年度末に実施されたため、その改修を納期の関係でH26年度内に実施することができなかった。そのため、助成金の一部を次年度に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に繰り越した助成金は、上記の理由でH26年度に未完となったMIMIZUKUの電気系の改修費に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)