2013 Fiscal Year Annual Research Report
革新的直接カップリング反応を促進する二官能性触媒の創製
Project/Area Number |
25708005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 潤一郎 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00529026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子活性化 / 触媒化学 / 合成化学 / 天然物合成 / ニッケル / パラジウム |
Research Abstract |
本研究では、これまで既存のカップリング手法の延長であった、分子結合活性化による直接的カップリング反応を飛躍的に革新を起こす新たな分子触媒を開発する。具体的にはこれまで培った経験と知識を元に、直接カップリング分野で新奇な、配位子上に非対称で二つの機能を有する二官能性触媒を創製する。合成した触媒を用いて、これまで達成できなかった、炭素-水素(C-H)結合、炭素-酸素(C-O)結合、炭素-炭素結合を同時に活性化できる次世代カップリング法を開発する。直接的不斉カップリングも視野にいれた本手法を活用する事で生物活性物質の合成に応用する。 本年度は、独自の分子触媒による反応基質適用範囲の拡大を目指した。具体的には、求核剤としてピロール、アルケンC-H結合、アルカンsp3C-H結合(カルボニル化合物)、求電子剤として、フェノール誘導体、芳香族エステル、エーテル(C-O結合)およびエステル結合(C-C結合)へと大幅に拡大を試みた)。すなわち、多分子結合活性化反応を促進する新触媒開発、新反応を見いだすことを目的とした。その結果、Ni触媒を用いて(1) ピロールのβ位選択的アリール化反応(通常はすべてα位)、(2) ヘテロ芳香環C-H結合とアルケンC-O結合の分子間C-H/C-O型カップリング反応、(3) sp3C-H結合とフェノール誘導体および芳香環エステルとのC-H/C-O型カップリング反応を発見した。さらには二官能性パラジウム触媒を用いた嵩高いアリールボロン酸とのC-Hビアリールカップリングも見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
独自の分子触媒による反応基質適用範囲の拡大は1年半を予想していたが、ほぼ完了した。さらに、新規なニッケル触媒とパラジウム触媒を見出すことができた。開発した触媒触媒を用いて、現在直接カップリング法の開発に既に着手していることから計画以上に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は既に発見している新規ニッケル触媒を用いたカルボニルのαアリール化反応の基質一般生の拡大に着手する。また、二官能性のパラジウム触媒の特徴を活かした反応開発研究(例:位置選択的アリル位C-H酸化反応)を試みる。
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Research Products
(9 results)