2014 Fiscal Year Annual Research Report
配位不飽和な自己集合性多核錯体を触媒とする多電子酸化還元反応
Project/Area Number |
25708011
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
正岡 重行 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (20404048)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超分子錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
窒素固定や酸素発生などの多電子酸化還元を担う生体酵素の活性中心には、複数の金属イオンが小空間に集約された多核金属錯体が含まれている。本研究では、事前設計した多核錯体を自己集合を利用して精密に合成し、様々な多電子酸化還元反応を促す高機能触媒の創製を行うことを目的とした。特に、配位不飽和構造を持つ多核金属錯体に注目し、電子授受能や反応性のファインチューニングを行うことで、小分子の多電子酸化還元を高効率で促進するための新奇な触媒設計指針の確立を目指した。 平成26年度は、平成25年度に引き続き、多電子酸化還元反応を高効率で促進する多核錯体触媒の創出を目指した。特に、金属イオンと有機配位子による自己集合作用を利用し、多核金属錯体内部に多種の金属イオンを精密に配置する手法の確立に取り組んだ。合成した多核金属錯体の構造は、単結晶X線構造解析、ESI-TOF-MS、元素分析、NMR、メスバウアー分光などを駆使して決定した。その結果、平成25年度までは困難であった異種金属5核錯体の合理的合成手法を確立することができた。また、それらの電気化学測定および分光化学測定の結果、異種金属錯体の電気化学的・分光化学的性質は、金属イオンの選択によりファインチューニングできることがわかった。また、水の4電子酸化反応に対する触媒活性を評価した結果、新規に合成された複数の異種金属多核錯体が、同一種から構成される多核錯体触媒に比べて有意な活性を示すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、複数の異種金属多核錯体の合成および機能評価に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成26年度までに得られた知見をもとに、水の四電子酸化触媒の最適化に取り組む。また、二酸化炭素還元反応など、他の多電子酸化還元反応を促進する触媒の開発にも注力する。
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Causes of Carryover |
多核金属錯体の合成が当初予定していたよりもスムーズに進み、試薬やガラス器具等の合成用消耗品を節約して使用することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
金属錯体合成用の試薬やガラス器具、および、触媒機能評価用の消耗品に使用する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Influence of Ligand Flexibility on the Electronic Structure of Oxidized NiIII Phenoxide Complexes2014
Author(s)
Minoru Kawai, Takahide Yamaguchi, Shigeyuki Masaoka, Fumito Tani, Takamitsu Kohzuma, Linus Chiang, Tim Storr, Kaoru Mieda, Takashi Ogura, Robert Szilagyi, and Yuichi Shimazaki
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Journal Title
Inorg. Chem.
Volume: 53
Pages: 10195-10202
DOI
Peer Reviewed
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