2013 Fiscal Year Annual Research Report
発光性および強誘電ポリマーナノ粒子による新しいフォトニック結晶の構築
Project/Area Number |
25708020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 洋平 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (40589834)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 共役系高分子 / マイクロ球体 / 発光 / コロイド結晶 / 有機半導体 / 有機太陽電池 / 有機トランジスタ / 自己組織化 |
Research Abstract |
パイ共役高分子の自己組織化により、粒径が1-10ミクロン程度の球状構造体を定量的に形成するための方法論および集合化条件、分子骨格の条件について検討した。その結果、テトラメチルビチオフェンユニットが、球状構造体の形成において効果的な構造要素であることを見出した。また、球状構造体を形成することにより、光キャリアの寿命が、バルクの薄膜と比較して10-1000倍も向上することを見出した。これらの結果をまとめ、論文発表を行った。また、作成した球体1粒子の発酵特性を観測した結果、発光が球体内に閉じ込められ、共鳴する現象を発見した。この現象は、作成したどのパイ共役高分子球体からも確認された。現在、より発光特性の高いパイ共役ポリマーや、電気伝導性の高いパイ共役ポリマーを用いて球状構造体野形成を試みている。また、形成した球体1粒子の発酵特性に関するより詳細な検討を進めている。 また、強誘電高分子であるポリフッ化ビニリデンからなるナノ粒子の集積化と、ベータ相化、およびコロイド結晶化に関しても、研究を進めた。イオン液体との混合とアニールによるアルファ(コア)/ベータ(シェル)構造の実現、垂直堆積法によるコロイド結晶薄膜の形成と、選択光反射の確認を行った。現在、2次高調波発生や強誘電特性の発現について確認を行っている。 また、有機薄膜太陽電池や有機トランジスタについても研究を進めており、ぶんしの 配向性やドメインサイズ、界面の面積を増大した有機半導体薄膜の形成について研究を進め、それぞれについて論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の第1段階である、どのような分子骨格を有する高分子を、どのような集合化条件で集積することで、形状が整った球状構造体を形成できるかに関する、いくつかの知見を得ることができた。今後、より発光特性や導電特性の高い共役系高分子から球状構造体を形成させる必要があるが、そのための基盤技術を確立することができたことから、研究を順調に進行することができていると考えている。また、海外(ドイツ)の研究機関との共同研究により、球体からの発光が、バルクでは起こらないような特性を示すことを見出した。今後、より発光特性の大きなパイ共役ポリマー球体によるレーザー発振や、電荷注入による電力駆動による発光特性を目指し、研究を継続する。 強誘電性高分子ナノ粒子によるコロイド結晶の構築に関しても、強誘電特性発現に必要なベータ相化や、コロイド結晶薄膜を形成するための条件を検討し、より構造色が明瞭に現れる薄膜作製方法を確立できた点において、順調に進行していると考えている。今後、これらの薄膜を用いて、2次高調波発生や強誘電特性の発現に関する実験を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
パイ共役高分子からなるナノ~マイクロ球体に関しては、より構造が均一な球状構造体形成について検討する。具体的には、高分子薄膜からの溶媒蒸気アニールによる固相での球体形成等に伝手検討する。また、作成した球状構造体の発光特性に関するより詳細な検討、および光ポンピングによるレーザー発振特性の発現について検討する。さらに、電荷注入による電力駆動型発光マイクロ球体を実現する。また、球状構造体を集積することによる、パイ共役高分子コロイド結晶の構築、および、周期構造中への発光の閉じ込めと増強について検討を行う。 強誘電性高分子ナノ粒子によるコロイド結晶の構築に関しては、これまでに作成したコロイド結晶薄膜を用いて、ポーリング処理による分極の発現と2次高調波発生、周期構造との同調による2次高調波の閉じ込め、さらに高次の高調波の発生について検討する。また、強誘電特性の発現について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
謝金額が見込みより抑えられたため。 謝金として使用。
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Research Products
(29 results)