2014 Fiscal Year Annual Research Report
高機能化した蛍光センサーによる膜近傍のイオン濃度マッピング
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25708023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内山 聖一 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10401225)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分析試薬 / 蛍光 / センサー / 国際研究者交流 / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
ナトリウムイオンマッピング用センサーとしてベンゾフラザン骨格を有する新規化合物を2種類合成し、前年度までに得られていた4種類のアントラセン骨格を有する化合物と合わせた6種類の蛍光ナトリウムイオンセンサーにより、アニオン性界面活性剤trimethylammonium dodecylsulfate、中性界面活性剤のTriton X-100およびoctyl beta D-glucopyranoside、カチオン性界面活性剤のcetyltrimethylammonium chloride近傍のナトリウムイオン濃度を評価した。この際に観測された蛍光スイッチングがナトリウムイオンによるものであることを確認するために、上記6種類のセンサーに対応する対照化合物についても新たに合成し、検討に用いた。これらの結果、アニオン性界面活性剤trimethylammonium dodecylsulfateの近傍ではナトリウムイオンが7~148倍濃縮されていることが明らかになった。本成果については、日本化学会第95春季年会にて学会発表し、現在、原著論文を執筆している。 水素イオンのマッピングについては、前年度までに得られた33種類の蛍光センサーを利用し、アニオン性界面活性剤sodium dodecylsulfateおよびsodium laurate近傍における水素イオン濃度の評価を進めている。 また、本研究とも繋がりの深い研究分野である「分子論理ゲート」の教科書を、講談社サイエンティフィクより上梓し、本分野の普及を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画調書に記載したとおり、研究を遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の遂行に際して、特に問題は生じていないため、当初の研究計画調書に従って今後の研究を進める。
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Causes of Carryover |
申請書に記載した計画と異なり、年度による傾斜配分をされたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画書の通り、三年度に渡って全配分額をおおよそ三分の一した額を毎年使用する予定である。
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Research Products
(2 results)