2013 Fiscal Year Annual Research Report
多配置人工筋による駆動制御ユニットのための計測制御技術の開発
Project/Area Number |
25709014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小木曽 公尚 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30379549)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制御工学 / 同定 / パラメータ推定 / 数理モデル / 空気圧ゴム人工筋 |
Research Abstract |
本研究では,パワーアシスト装具やリハビリ装置の開発・普及を目指すため,"多配置人工筋による駆動制御ユニットのための計測制御技術の開発" を研究の最終目的と定めている.この目的を達成するため,平成25年度での課題として "内骨格拮抗配置駆動制御ユニットの開発" と定めた.この課題に関して,これまでに得られた主な成果は,二つである.一つは,一本の空気圧ゴム人工筋に対する数理モデルを導出したこと,もう一つは,その数理モデルに対する系統的なパラメータ推定手法を開発したことである. まず,一つ目は,空気圧ゴム人工筋のモデル構造を物理式と経験式より構成し,その数理モデルが持つ特性と実機データより得られる特性が比較的一致する傾向にあることを確認した.そして,パラメータ推定に関しては,モデル構造が切替えを有する非線形な系であることから,妥当なパラメータ値の組み合わせが求まるように配慮するため,ゲーム理論的学習法に基づくパラメータ探索法を提案した.数種類の推定実験を通して,既存の手法(準ニュートン法やNelder-Meadシンプレックス法)より良好なパラメータ値を推定できることを確認した.これらのモデル同定法および一連の知見は,拮抗配置型へ応用した際に効率よくモデル構造やそのパラメータを求めることに役立つと思われる. 一方で,拮抗配置に関する実機制作では,過渡トルクを計測する必要があり,現在,トルクセンサーを内蔵させた抗配置駆動ユニットを設計し,発注段階である.この実機をもとに,そのモデル化と制御法の開発を経て,所望の位置/力制御を実現する制御ユニット開発に取り組む予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数理モデルのパラメータ推定計算に非常に多くの時間が掛かることが判明した.また,既存の手法との比較を行うことも時間を要する一因であった.その結果,拮抗配置でのモデル構造やパラメータ推定法に取り掛かるのが予定よりやや遅れることになった. さらに,適切な拮抗配置構造を調べるために制作したプロトタイプ機を調査した結果,トルクの過渡応答を計測するためには,比較的高価かつ新型のトルクセンサーを購入(および販売まで待機)する必要が生じた.その結果,改めてトルクセンサーを組み込んだ拮抗配置の改良型を設計・制作するのに時間がかかることになった.現在,改良型の制作を発注している段階である. 以上が研究達成度に関する遅れの理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
改良型の拮抗配置ユニットの納品後,制御系を実際に組むのと平行して,ユニットのモデル化とパラメータ推定法を25年度の知見を基に開発する.これらを用いて,入力をバルブ制御量,出力をトルクと回転角度とする拮抗配置ユニットの数理モデルを導出し,それを制御系設計へと進める.さらに,そのユニットを連結させることで,平成26年度の課題であるロボットアーム制作の実現を目指す.
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Research Products
(9 results)