2014 Fiscal Year Annual Research Report
端末に送信機を用いずに並列大容量伝送を実現する超高速負荷変調技術の研究
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25709030
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| Research Institution | Iwate University |
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Principal Investigator |
本間 尚樹 岩手大学, 工学部, 准教授 (70500718)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | MIMO / RFID / 負荷変調 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，パッシブRFID(Radio Frequency Identification)の伝送速度向上法として提案しているパッシブMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送の復調演算量低減法について中心的に検討を行った．パッシブMIMOではRFIDから散乱される負荷復調波が非線形に重畳されるため，MLD(Maximum Likelihood Detection)と呼ばれる最尤推定によって復号を行う．しかし，伝送速度向上を目指して多素子化した場合，リーダにおける復号に要する演算量が莫大になるという問題があった．そこで，本検討では，アナログ信号処理を用いてタグアンテナの相互結合を抑制し，受信ビームフォーミングを用いることで，一度に推定する信号数を減らす方法を考案した．対称に偶数個配置されたタグアンテナに180°ハイブリッドを接続することでタグアンテナを相互結合の無い2つのグループに分割する．受信機側では分割されたアンテナグループに受信ビームフォーミングを適用し復調を行う．これによって，線形的な処理でアンテナグループごとに信号を分離することが可能となり，MLD(Maximum Likelihood Detection)演算量を低減することができる．数値計算に基づく評価結果より，提案法はわずかにBER (Bit Error Rate) が低下するが，演算量は大きく改善されることが分かった．具体的には，タグアンテナ数とリーダ側の受信アンテナ数を共に4としたとき従来法と比較して復調に必要な演算量は256 回/symbolから32 回/symbolに低減が可能であることが分かった．また，その効果はタグアンテナ数に比例して大きくなることを示した．これより，考案した方法は多素子パッシブMIMO伝送の復調演算量低減法として有効であることが明らかなった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より予定していた10倍の伝送速度を達成するうえで不可欠な，多素子パッシブMIMOの復号の問題を解決することができた．また，同時にスプリアスの低減法についても取り組み，バイアス信号にフィルタをかけ平滑化することでスプリアスが大きく低減されることを実験的に明らかにすることができた．このように，当初の予定に向けた課題の解決は順調に進んでおり，概ね順調に検討が進んでいるものと判断できる．
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度はベースバンド発生装置と受信装置の双方を改良することでより高い伝送レートの実現を行う．26年度に提案した方式を発展させ，それを実際の装置に実装する．装置もこの提案方式の要求を満たすスペックとする．これによって，本研究の目標である10倍の伝送速度の達成を目指す．
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| Causes of Carryover |
ハードウェアの拡充の前にアルゴリズムの完成を優先したため，検討の順序が入れ替わり，翌年に研究費の使用が持ちこされた．また，新たにアルゴリズムが考案されたことにより，本検討に関わる発表件数を当初より増加することを計画しており，翌年度は成果発表に関わる経費が増加する予定である．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
提案アルゴリズムを実装可能なハードウェアを調達する．具体的には所望のレートを達成するベースバンド装置(送信・受信)を調達する．また，これらの装置を用いて得られた研究成果はいち早く国内外にて発表を行うものとし，平成27年度の発表に関わる経費として使用する．
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