2013 Fiscal Year Annual Research Report
光と色で指向するひずみの可視化- 構造物劣化診断の革新的ユニバーサルデザイン
Project/Area Number |
25709036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
百武 壮 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (30468871)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 土木材料 / 構造機能材料 / 自己組織化 / 可視化 / リモートセンシング |
Research Abstract |
構造物にかかるひずみを発光像として二次元視覚化できるモニタリングシステムを提案する。ひずみに応答して変色(光反射)するシート状材料と発光色素を組み合わせることで、ひずみ応答と発光強度(色)の変化を制御し、ひずみ情報を光と色で解析できることを実証する。 ひずみに応答して変色するシート材料としてオパール薄膜を検討した。薄膜は市販のPETシート上にポリスチレンの微粒子(粒径が200 nm程度)が規則正しく配列し、シリコーンエラストマーで包埋・固定化されている。PETシートの変形にしたがって粒子間距離が変化し、ひずみに応答して反射スペクトルが赤色から緑色程度まで変化した。発光色素をこのオパール薄膜に配するべく、シリコーンエラストマー、トップコート、ポリスチレン微粒子への導入を試した。簡便なポリスチレン微粒子への浸潤法で均質に導入する事が可能であった。色素を導入したポリスチレン微粒子は、既報の手順で標準品と同様にオパール薄膜が成膜可能であり、強く発光することがCCDカメラを用いた発光像から確認できた。薄膜の反射スペクトルはひずみに応答して短波長シフトすることをファイバ分光計で計測した。オパール薄膜中のすべてのポリスチレン微粒子に色素を導入すると、発光のひずみ応答性が小さかったため、光ひずみ感度向上のため、微粒子の積層方法を新たに検討中である。一方で、トップコート法は均質な発光像が得られ、ひずみによって発光が応答したが、母材への貼付けなどの施工法に工夫が必要であることがわかった。より扱いやすく発展させるため、今後は接着剤やPETシート側への導入も検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファイバ分光計やCCDカメラによる発光計測を用いて、オパール薄膜への発光色素導入を評価した。ポリスチレン微粒子への浸潤とトップコート法の二通りの方法で、光ひずみセンシングが可能であることが示唆された。これらを元に発光像計測へと展開し、二次元光ひずみセンシングを図る。感度や施工法に対してさらなる検討が必要であることがわかったが、初年度の目標である点計測は可能であることが実証できたため、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
オパール薄膜への色素導入方法を精査し、光ひずみ感度の向上と発光像計測へとステップアップを図る。ひずみゲージとの同時計測からひずみ感度の定量性についても議論し、発光像の解析・評価方法を検討する。一方で、母材となる金属やコンクリート母材への施工性についても検討を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験補助の人材を計上していたが、不要となったため。 万能試験機を暗室内専用のものとして導入する計画である。
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