2014 Fiscal Year Annual Research Report
局所破壊情報を利用したPC部材の長期供用性能の評価
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25709037
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Research Institution | Railway Technical Research Institute |
Principal Investigator |
渡辺 健 公益財団法人鉄道総合技術研究所, その他部局等, 研究員 (40450746)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コンクリート / プレストレストコンクリート / 時間軸 / 収縮 / クリープ |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は,スターラップ拘束下におけるコンクリートのクリープ挙動を把握することを目的とした実験を実施した.鉄道コンクリート構造物など,スターラップを配筋した部材を模擬し,鋼材を配置することで副次的に発生する応力を考慮に入れるために,角柱試験体を作製し,クリープ試験における試験体の変形挙動を計測するものである.1年間の計測を計画しており,H27年度半ばには実験結果が集約される予定である.アコースティックエミッションや,H25年度で開発した広域型画像解析装置を用いて,ひずみ計測を実施しており,鋼材が配置されたことで複雑な挙動を示すコンクリートの変形を,任意の方向に計測することで,従来困難であったひずみ計測が可能となっている. また,建設されたPC構造物に対する継続計測を行い,構造物に発生するたわみ,収縮,クリープを把握した.その結果,供用されるPC桁の計測結果を用いてクリープ係数を評価すると、部材厚や雨がかりの有無などの影響により部位に依存した値になった.対象としたT型断面の場合、特に、ウェブで計測された値が最も大きく、下フランジの値と比較して有効材齢526日において約1.25倍であった.なお、部位に依存したクリープ係数は相対湿度RHを工夫して設定することで現行の標準式を用いて追跡可能であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データロガーを購入し,PC桁の時間経過に伴う体積変化の計測を実施しており,計画通りに進んでいる.また,デジタル画像相関法を用いて,荷重が持続的に作用する試験体におけるひずみの可視化を実施しており,部位に依存した変形特性を把握している.長期変形を追跡可能な解析的手法についてその検証が困難であったが,数十年の計測された実橋りょうの計測結果を入手することで,検証を実現した.今後,マクロ化について,妥当性を確認した非線形解析を用いて,数値実験を行うことを予定しており,これに関する時間的に不明な点はない.以上のことから,概ね順調に進んでいると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
部位に依存した変形特性を有するコンクリートを適用により,PC桁の大幅な変形やプレストレスロスの発生が懸念された.H26年度までに得られたコンクリートの収縮,クリープ情報を,一般的な鉄道橋りょうに導入し,材齢に伴い増減するたわみおよびPC鋼材の緊張力の低下に対する影響を確認する.既に有限要素法を援用した解析準備は終えており,今後得られた材料情報を逐一導入することで,PC橋りょうの挙動について評価を行う.
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Research Products
(5 results)