2014 Fiscal Year Annual Research Report
肺腺がんにおける分子標的治療への耐性機構解明と耐性克服のための治療法開発
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25710015
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
片山 量平 公益財団法人がん研究会, その他部局等, 研究員 (60435542)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺がん / 分子標的薬 / 耐性 / ALK / ROS / RET / EGFR |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、H25年度より継続し作成しているALK融合遺伝子陽性肺がん細胞株H3122, RET融合陽性肺がんLC-2/ad細胞などより各チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)耐性細胞を作製し、それらを用いて耐性機構の解析を進め、新たな耐性機構を複数同定した。また、ALK陽性患者(TKI治療前および治療後)由来の細胞株を用いてその耐性機構の同定と、Xenograftモデルの作製に成功した。さらにRET陽性肺がん患者からは治療前および治療後の耐性腫瘍から細胞株の樹立が進行中である。 ALK, ROS1、RET等融合遺伝子を導入したBa/F3細胞を用いて、ENUにより人工的に変異を導入し、各TKI 存在下で培養して薬剤耐性クローンを得て、シーケンスにより新たな耐性変異を複数発見することに成功した。ROS1融合遺伝子陽性肺がんはALK/ROS1阻害薬Crizotinibに高感受性であり、良好な臨床試験の結果が平成26年度に報告されたが、そのCrizotinibに対する耐性機構をこの方法により新たに同定し、さらにその耐性克服薬をも発見し、平成27年1月に論文として発表した。 TKI治療前及び耐性出現後の患者由来の組織(胸水、腹水、診断用生検)材料から細胞株の樹立にしている。これまでにALK陽性例で合計30株以上、RET陽性例で2例、そのほかの変異陽性腫瘍検体からも複数細胞株の樹立に成功し、耐性検体の多くからは耐性機構の同定に成功している。また、これまで使用してきたSNaPshot 解析系に加え、平成26年度にはがん関連遺伝子108個を選択し、それらのCapturedシーケンスをNGSで行う系の確立に成功し、解析を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に主に行う予定であった耐性細胞株の作製とその耐性機構の解析、Ba/F3細胞など培養細胞を用いた耐性機構の探索は予定通り進み、その耐性克服法も複数発見することに成功し、インパクトの高い論文として発表することができた。患者検体からの培養細胞株の樹立については、平成25年度に引き続き、予想していた以上の成功率で樹立に成功している。さらに、平成26年度に遂行予定であった臨床検体からの耐性機構の同定については、複数の新規耐性機構の同定に成功しており、米国の研究グループとの共同研究も実施し、インパクトの高い論文として複数発表することに成功している。さらに耐性を克服する方法についても各々の耐性機構について成功しており、計画よりも研究が順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究を継続しつつ、耐性機構の解明と耐性克服法の発見・その評価(動物実験)を目指して研究を行う。主として下記の様に研究を進める。 (1)培養細胞系およびマウスモデルから取得した耐性細胞を用いて、耐性機構の解析を継続する。また、コピー数の変化をSNP arrayなどで検索し、網羅的発現解析および、機能性RNA等の発現をそれぞれマイクロアレイにて調べ、クラスタリング解析,GO解析などからTKI処理時に活性化しているシグナルを探索する。耐性機構が容易に見いだせない場合には、阻害剤スクリーニングやプロテオミクスの手法も用いて、耐性機構解明を目指す。 (2)患者由来の細胞株を用いて、耐性機構の検討を継続する。新鮮・固定化の耐性患者由来のサンプルからDNA, RNAを抽出してNGS等による変異解析を行い、がん遺伝子の遺伝子変異や遺伝子増幅・欠失がないか検索する。あった場合にはFISHおよび免疫組織化学的に検証する。また、同定した変異や増幅により耐性化が起こるかどうかを、培養細胞系を用いて検証するとともに、耐性が阻害剤併用により克服できるかについても検討する。遺伝子変異解析で手掛かりが得られなかったものについては、樹立した細胞株をもちいて、実験的に作製した耐性細胞株と同様の検討を行う。細胞株の樹立がうまくいかなかった検体については、凍結検体をマクロダイセクションし、マイクロアレイや、NGSを用いた解析で検討する。 (3)同定した耐性機構から耐性を克服するための手法を探索する。元の標的遺伝子に変異が生じることによって耐性化した場合には、引き続き克服可能な薬剤を検索する。他のバイパス経路等の関与が示された場合には、併用療法の可能性を培養細胞及びマウスモデルで検討する。研究が予定通り進まない場合には、Ba/F3細胞や耐性細胞株を用いて化合物ライブラリーなどからのスクリーニングを行う。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] RB loss in resistant EGFR mutant lung adenocarcinomas that transform to small-cell lung cancer.2015
Author(s)
Niederst MJ, Sequist LV, Poirier JT, Mermel CH, Lockerman EL, Garcia AR, Katayama R, Costa C, Ross KN, Moran T, Howe E, Fulton LE, Mulvey HE, Bernardo LA, Mohamoud F, Miyoshi N, VanderLaan PA, Costa DB, Jänne PA, Borger DR, Ramaswamy S, Shioda T, Iafrate AJ, Getz G, Rudin CM, Mino-Kenudson M, Engelman JA.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 11
Pages: 6377
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Patient-derived models of acquired resistance can identify effective drug combinations for cancer.2014
Author(s)
Crystal AS, Shaw AT, Sequist LV, Friboulet L, Niederst MJ, Lockerman EL, Frias RL, Gainor JF, Amzallag A, Greninger P, Lee D, Kalsy A, Gomez-Caraballo M, Elamine L, Howe E, Hur W, Lifshits E, Robinson HE, Katayama R, Faber AC, Awad MM, Ramaswamy S, Mino-Kenudson M, Iafrate AJ, Benes CH, Engelman JA.
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Journal Title
Science
Volume: 346
Pages: 1480-1486
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Two novel ALK mutations mediate acquired resistance to the next-generation ALK inhibitor alectinib.2014
Author(s)
Katayama R, Friboulet L, Koike S, Lockerman EL, Khan TM, Gainor JF, Iafrate AJ, Takeuchi K, Taiji M, Okuno Y, Fujita N, Engelman JA, Shaw AT.
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Journal Title
Clinical Cancer Research
Volume: 20
Pages: 5686-5696
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] The ALK inhibitor ceritinib overcomes crizotinib resistance in non-small cell lung cancer.2014
Author(s)
Friboulet L, Li N, Katayama R, Lee CC, Gainor JF, Crystal AS, Michellys PY, Awad MM, Yanagitani N, Kim S, Pferdekamper AC, Li J, Kasibhatla S, Sun F, Sun X, Hua S, McNamara P, Mahmood S, Lockerman EL, Fujita N, Nishio M, Harris JL, Shaw AT, Engelman JA.
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Journal Title
Cancer Discovery
Volume: 4
Pages: 662-673
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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