2013 Fiscal Year Annual Research Report
セパレースバイオセンサーによる染色体分離機構の研究
Project/Area Number |
25711003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
進藤 軌久 公益財団法人がん研究会, がん研究所・実験病理部, 研究員 (00512253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 染色体分配 / セパレース / バイオセンサー / 活性制御 |
Research Abstract |
本研究はセパレースのバイオセンサーを駆使してセパレースの急激な活性化機構を解明し、正確な染色体分離を保証する機構を明らかにすることを目的としている。以下の3つの大枠を設けて研究を推進している。(1) 分子間切断が染色体上における活性の伝播に必須であることを示す。(2) 分子間切断が活性型セパレースの分子数の増加に寄与する機構を解明する。(3)分子間切断の制御方法を開発する。当該年度は、(1)の途中までを完了し、(2)に着手した。以下今年度実績の概要を記す。 (1)分子間切断が染色体上における活性の伝播に必須であるかの検討。人為的に活性型セパレースを染色体上の一点に集積させ、そこからの活性の伝播速度をセパレースのバイオセンサーを用いて解析するために、LacO配列を組み込まれた細胞をベースにLacI-FKBP融合タンパク質発現細胞株を樹立した。さらに、センサーによる解析の条件検討を進めた。 (2)分子間切断がもたらす効果として、以下の2つの可能性が考えられる。(i)切断されても抑制因子が結合したままだが、セパレースは活性化する。(ii)結合と遊離を繰り返しているセパレースと抑制因子の再結合が阻害される。抑制因子であるセキュリンに対する抗体を用いて免疫沈降実験を行なうと、分子間切断されたものは共沈しないが、未切断のセパレースが多く共沈しているので(i)の可能性は低い。(ii)を示すために、セパレースの分子間切断部位をTEVプロテアーゼの認識配列と入れ替えたセパレース変異体を作製した。今後、TEVプロテアーゼ処理(切断済み)または未処理(未切断)の細胞抽出液からセパレース抗体で免疫沈降実験を行い、抑制因子の共沈を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に完了する予定の実験がすべて完了したわけではないが、解析準備が完了している。また、次年度に予定していた細胞株の樹立が完了しており、(1)における進捗の遅れを(2)の進捗状況が相殺していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)の解析をすすめ、さらに計画どおり(2)と(3)を実施していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に予定していた、分子間切断が染色体上における活性の伝播に必須であるかの検討に関する実験計画において、若干の遅れが生じたため次年度への繰越が生じた。 研究の進捗に応じて適宜使用していく。
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Research Products
(6 results)