2016 Fiscal Year Annual Research Report
セパレースバイオセンサーによる染色体分離機構の研究
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25711003
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
進藤 軌久 公益財団法人がん研究会, その他部局等, 研究員 (00512253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セパレース / 染色体分配 / バイオセンサー / 活性制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常細胞株と各種がん細胞株におけるセパレース活性の解析をセパレースバイオセンサーを用いて行ったところ、がん細胞株ではどの細胞株でもセパレースの急激な活性化は見られず、正常細胞より緩やかな活性化が見られた。この結果は、がん細胞は正常細胞よりセパレース活性化に負荷がかかった状態であることを示唆している。一方、セパレースの分子間切断部位に非切断型変異を導入すると、セパレースの急激な活性化は阻害され、染色体分離に異常が生じて細胞質分裂に失敗し、その後細胞増殖が停止する。この結果は、セパレース活性化における分子間切断の重要性を示唆しているのみならず、分子間切断阻害によって細胞増殖を制御できることを示唆している。そこで、分子間切断部位を認識する抗体を細胞に注入したところ、細胞内におけるセパレースの分子間切断が阻害され、セパレースの急激な活性化が見られなくなり細胞増殖が停止した。このことから、分子間切断部位に結合して切断を阻害する化合物は細胞増殖を制御しうると考えられ、しかも正常細胞よりセパレース活性化に負荷がかかった状態のがん細胞に、より重篤な影響を及ぼしうると考えられた。そこで、正常細胞株とがん細胞株で分子間切断認識抗体注入の効果を比較したところ、がん細胞における細胞増殖抑制効果が強いことが確認された。これらの結果をふまえ、分子間切断部位に結合する化合物のスクリーニングを行った。これまでのところ目的とする化合物を得るまでには至らなかったので、より精度の高い系を構築すべくスクリーニング法の改良を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
目的としていた化合物は得られなかったため、方針転換が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
作製済みの分子間切断部位認識抗体を用いてスクリーニング法の改良を行い、再度化合物のスクリーニングを試みる。
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Causes of Carryover |
計画していた化合物スクリーニングが初期段階で頓挫し、スクリーニング系の改良の検討を迫られたため、スクリーニングのために予定していた出費が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
改良したスクリーニングの系を用いて化合物を探索する。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 進藤 軌久、 広田 亨2016
Author(s)
がん細胞における染色体分離制御の時空間特性
Organizer
第75回 日本癌学会学術総会
Place of Presentation
神奈川県、パシフィコ横浜
Year and Date
2016-10-06 – 2016-10-08