2015 Fiscal Year Annual Research Report
異数性による種分化の機構が存在するか?(II) 比較ゲノム解析と再現系からの検証
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25711024
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菊池 真司 千葉大学, 園芸学研究科, 助教 (80457168)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゲノム分析 / トレニア / 染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、トレニア属2種における染色体の基本数の違いが異数性による進化の結果として生じたものかを検証することを目的とする。近縁種を収集して行った分子系統解析から、この基本数の変化は染色体の減数によって生じたものである可能性が高いことが分かった。一方、比較ゲノム解析では2種の染色体に大きな欠失領域が見られず、ゲノムサイズも同程度であることから、転座や染色体融合などの染色体の再配置によって染色体の基本数が変化したことが示唆された。 そこで本年度は、この2種 [ T. fournieri; 2n=2x=18 (AA) , T. baillonii; 2n=2x=16 (BB) ] から育成した二基三倍体植物(2n=26; AAB)の染色体対合をFISH解析し、詳細なゲノム分析を行った。その結果、低頻度で異型対合による三価染色体の形成が認められるものの、ほとんどはAゲノムの染色体の二価染色体とBゲノムの染色体の一価染色体が形成されることが分かった。よって、この2種のゲノムの親和性は当初考えていたほど高くないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トレニア属2種の染色体の基本数の違いが異数性による進化によるものかを検証するのが本研究の目的である。二基三倍体植物を用いた詳細なゲノム分析から、異種間での染色体対合がほとんど起こらないことが分かった。よって、2種はよく保存された相同染色体を共有するわけではなく、染色体の分化が進んでいると考えられた。比較ゲノム解析からトレニア2種の染色体の基本数の違いは、異数性ではなく染色体再配置によって生じたことが示唆されており、今後、2種で生じた染色体の再配置の種類や染色体上の位置を明らかにすれば上記の本研究課題の目的を達成できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
染色体再配置の種類や染色体上の位置を明らかにするため、2種で共通してFISHシグナルが形成されるfosmidクローンを選抜し、FISH解析から2種の染色体のシンテニーマップを作成する。さらに2種の雑種第一代で生じる一価染色体が T. fournieri のどの染色体かを特定し、8"+1' の染色体対合となる要因を考察する。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンス解析にかかる支出が抑えられたため残額が生じている。またグロースチャンバーを購入予定であったが、研究室の実験スペースの制限や節電、研究の進展状況を考慮して、次年度以降に購入するよう助成金使用計画を変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
申請書の計画どおり、グロースチャンバーや低温フリーザーの購入に使用する。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Application of detached-leaf technique and gout drug treatment to induced tetraploid in Torenia hybrida (T. fournieri x T. asiatica)2015
Author(s)
Chanchula, N., Taychasinpitak, T., Jala, A., Thanananta, T., Kikuchi, S.
Organizer
The 5th Asian Chromosome Colloquium
Place of Presentation
カセサート大学(バンコク, タイ)
Year and Date
2015-04-29 – 2015-05-01
Int'l Joint Research