2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25712001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桧原 健一郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (10595713)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イネ / 胚発生 / 胚乳発生 / 胚サイズ / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イネ種子を構成する胚と胚乳において、それぞれのサイズを規定する胚周辺胚乳領域の構築の過程を3つのphase(確立、維持、領域規定)にわけ、胚ー胚乳サイズに重要な鍵因子であるREDUCED EMBRYO1(RE1)、RE2、GIANT EMBRYO(GE)、GOLIATH(GO)遺伝子の機能解析や新奇因子の同定を通じて、それぞれの分子発生学的基盤を明らかにすることを目的とする。本年度は、昨年度単離し、相補性試験を完了した確立phaseに関わる新奇因子EML1遺伝子の発現解析や過剰発現体の作出を行い、EML1のイネにおける機能についていくつかの知見が得られた。 維持phaseに関わる新奇変異体re3、re4変異体の原因遺伝子同定のため、日本稲品種と交配を行ったマッピング集団の作製やre1、re2、geなど他の胚サイズ変異体との二重変異体の解析のための種子の増殖などを行った。また、維持phaseに関わるRE1、RE2遺伝子のdirect targetを同定するため、DEX誘導系の確立を目指し、いくつかのプロモーターを試行し、誘導がかかる系統のスクリーニングなどを行った。これらの解析は次年度に順次解析を進めて行く予定である。 領域規定phaseに関わるgeサプレッサー変異体の遺伝子同定を試み、変異部位を同定した。現在、相補性試験やCRISPR-Cas9法を用いた遺伝子破壊を進めているところである。GEやGOの基質同定ならびに影響を及ぼす代謝経路の特定を目指したメタボローム解析のために必要な種子サンプルを育成し、次年度メタボローム解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度夏期の植物体の生育が悪く、予定通りに種子を増殖できなった系統もあるが、平成26年度冬期の栽培・育成によってある程度の解析に必要な種子の確保はできた。RE1、RE2のDEX誘導系の確立では当初使用していたプロモーターではカルス条件で誘導がかからないという想定していなかった問題が発生したが、プロモーターを改変することにより、カルスでもRE1やRE2を誘導できる系統を得ることができたが、発現誘導レベルが低い系統が多いため、現在、安定して高発現誘導ができる系統の選抜を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
大半の実験計画において当初の計画通りに進めていく。一部の実験計画において計画調書とは異なる方法で実験を進めているが来年度を行う解析によって、当初研究計画目標としていた結果が得られることを期待している。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた実験において予期していなかった遅延が生じたため、一部計画の見直しを行った。そのため、予定していた実験のために必要だと考えていた物品の購入や技術補佐員の雇用を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、今年度計画を変更した実験の進行状況を踏まえつつ、適切に使用していく予定である。
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Research Products
(5 results)