2013 Fiscal Year Annual Research Report
水稲登熟期における高温ストレスバイオマーカーの開発とその機構の化学的解明
Project/Area Number |
25712003
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
中野 洋 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究所稲研究領域, 主任研究員 (10414814)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | イネ / 高温ストレス / バイオマーカー / フェノール性化合物 |
Research Abstract |
本研究では,水稲の登熟期における高温ストレスバイオマーカーになる化合物を見出すために,高温登熟した玄米において蓄積する化合物を単離・同定し,高温登熟および常温登熟した玄米においてその含有率を明らかにしようとした. 高温登熟した高温耐性が強い「ふさおとめ」,中程度の「コシヒカリ」,弱い「初星」の玄米の高極性成分を見ると,常温登熟した玄米に比べ, 3品種の平均で3',6-di-O-feruloylsucrose (4)の含有率が僅かに減少したが,3',6-di-O-sinapoylsucrose (2)および3'-O-sinapoyl-6-O-feruloylsucrose (3)の含有率がそれぞれ3.2倍および1.2倍に増加した.また,6-O-feruloylsucrose (1)の含有率は両者でほとんど差がなかった.化合物1-4はphenylpropanoid sucrose esterであり,玄米における含有率は,登熟期の高温により,sinapoyl骨格の増加あるいはferuloyl骨格の減少に伴って増加することが示唆された. 高温登熟した「ふさおとめ」,「コシヒカリ」,および「初星」の玄米の低極性成分を見ると,常温登熟した玄米に比べ,3品種の平均でcycloartenyl ferulate (5)の含有率が0.5倍に低下するが,24-methylenecycloartanyl ferulate (6)およびγ-oryzanolの含有率がそれぞれ1.6倍および1.2倍に増加した.化合物5および6はγ-oryzanolの主成分であり,玄米におけるその含有率は,登熟期の高温により増加するが,その組成は大きく変化することが示唆された. 以上より,化合物2,3,5,および6およびγ-oryzanolは,水稲の登熟期における高温ストレスバイオマーカーの候補物質になると考えられた.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|