2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25712024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 健太郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90455353)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海洋天然物 / 共生微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
海綿動物からは様々な生物活性を持った二次代謝物が数多く単離されており、これらの化合物は海綿動物に共生する微生物が生産すると考えられていたが、直接的な証明はされていなかった。その理由は共生微生物が難培養性であり、海洋天然物を生産する微生物を発見できなかったからである。本研究では生物活性物質を生産する有能な微生物をフローサイトメトリーで分離し、その化合物情報と遺伝情報を有効利用することを目的とする。 昨年度までの研究で、多くの海洋天然物を生産する有能な共生微生物 Entotheonella属が日本近海の多くのカイメンに含まれていることを遺伝子レベルで明らかにした。本年度は、その結果を基に、複数のカイメンからEntotheonella属バクテリア、およびシアノバクテリアをフローサイトメトリーを用いて分離し、その化合物情報および遺伝情報を得ることに成功した。また、分離した微生物の化合物情報から、培養をせずに他の有用二次代謝産物の生産者を推測することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、フローサイトメトリーを用いた微生物の分離をおこない、複数の有用化合物を生産する微生物の分離に成功し、その遺伝情報を得ることに成功した。また、分離した微生物から得られる化合物情報より、生産微生物を推定することが可能になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた微生物を用いて、既に化学構造が明らかになっている有用化合物の生合成遺伝子の取得と、生産微生物の特定をおこなっていく。また、得られた微生物のゲノム解析をおこなうことで、他の二次代謝産物の生合成遺伝子の探索も同時におこない、予測される化合物が宿主であるカイメンの中に存在するかを確認する。以上の研究を通して、カイメンに共生する微生物を新たな生物資源として利用する方法を構築する。
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Causes of Carryover |
セルソーターをリースで使用しているため、次年度以降も支払をする必要があり、それを踏まえて本年度は計画的に経費を執行した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度もセルソーターのリース代の支払いと、分離した微生物のゲノム情報を読むため次世代シーケンサーの費用に利用する。また、その他の実験に必要な試薬を購入に使用する。
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Research Products
(7 results)