2013 Fiscal Year Research-status Report
福島原子力発電所事故以降の放射能による食品汚染に対する消費者の意識調査研究
Project/Area Number |
25712025
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
有賀 健高 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (90589780)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 消費者意識調査 / アンケート調査 |
Research Abstract |
全国6000人の消費者を対象に福島原子力発電所近辺で生産された農水産物への意識調査を実施した。アンケート調査票には、環境保全に対する積極性、食品の安全性に関する知識の有無、放射性物質による食品汚染に関する知識、所得、教育水準、家族構成(乳幼児の有無などを含む)などを把握するための項目を入れた。 アンケート調査は、福島県で生産量の高いお米、肉用牛(産地の近隣で生産された飼料を使用している)、豚(産地の近隣で生産された飼料を使用している)、きゅうり、りんご、まぐろ、わかめ、鶏卵(産地の近隣で生産された飼料を使用している)、生椎茸(産地の近隣で生産された原木を使用している)及び原子力発電所近辺で地下水の放射能汚染が指摘されていることからミネラルウォーターの10品目に焦点を絞って実施した。これらの10品国全てについて6000人の回答者を集めるには費用的に難しかったため、2品目ずつにわけた調査票を作成し、それぞれの品目について1200人の回答を集める方法がとられた。 このように同じ消費者に2品目に関する回答を得る場合、品目を聞く順番によるバイアスが発生することが知られているため、2品目の順番を入れ替えた調査票を使ってアンケートを実施した。こういったアンケートを実施する際に生じるバイアスを避けるため、調査票作成の際は、こういった問題に詳しい専門家の知見を得るようにした。 以上の方法で作成された調査票を基に、実際のアンケート調査はアンケート調査専門機関に委託する形で実施された。アンケートでは予定より多い8500人程度の消費者から回答を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初の予定では、アンケートによって得られたデータの平均や分布といった基本統計を測定するところまでやる予定だったが、アンケートの実施時期が予定よりも遅れてしまったため基本統計の測定まで終わらせることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
収集したデータが、本研究の目的である原発近辺の県で生産された食品に対するWTA値の測定と、これらの食品に対して表明したWTA値の要因を分析する上で、データ不足、バイアスといったデータ上の問題が発生していないかを確認するために、得られたデータの平均や分布といった基本統計を測定し、データの整理を行う予定である。 STATA、LINDEP、GAUSSといった統計ソフトを使用し、アンケート調査によって収集されたデータからWTA値を推計し、消費者の原発近辺の県で生産された食品に対して表明したWTA値の要因分析を対数ロジットモデルで行う。分析結果に関しては、まずは暫定的な結果を学会やワークショップで発表し、フィードバックを得た上で結果の妥当性を吟味する。そして、妥当だと考えられる結果が得られるまで再度分析モデルに入れる変数を再検討しながらモデルを修正していく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
統計分析するためのパソコンソフトの価格が当初予定していた価格より高くなっていたため。 集計されたアンケートのデータを統計分析するのに必要なパソコンソフトの購入のために使う予定である。
|