2014 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓における細胞分化の破綻と疾患の発症をつなぐ分子機構の解明
Project/Area Number |
25713014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30415195)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝臓 / 再生 / 癌 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓は高い再生能を有するが、その一方で、再生の破綻により多くの疾患が発症する。我々は、これまでに肝再生を担う細胞の機能解析や肝再生を制御する分子機構について研究を進めてきた。その中で、障害によって正常な再生応答から逸脱した状況に陥った場合では、肝細胞の分化状態が破綻し、疾患の発症へつながることが明らかとなった。そこで本研究では、肝細胞の分化状態の破綻と疾患の発症をつなぐ分子機構の解明を目指して研究を行う。平成26年度では、慢性的な肝障害によって門脈周囲に出現する偽胆管様構造(細胆管反応)や肝内胆管癌の形成にともなう肝細胞から胆管細胞への運命転換について、その過程を組織学的手法並びに分子生物学手法を用いて詳しく解析した。その結果、Notchシグナルや特定の液性因子を介した肝細胞の運命転換機構が明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究では、肝内胆管癌の形成にともなう肝細胞から胆管細胞への運命転換機構の詳細が明らかになりつつあるだけでなく、同様の細胞運命転換が生じる慢性肝炎においてもその分子機構の解析が進んでいる。このことから、肝細胞の分化状態の破綻と疾患の発症をつなぐ分子機構の理解に向けておおむね順調に研究が進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、細胞分化の破綻を導く遺伝子機能やシグナル制御、遺伝子発現のジェネティック/エピジェネティックな制御システムに着目しながら、引き続き生体内外の解析を通じて多角的に研究を進め、肝臓における疾患の原因究明や治療法の開発に貢献すべく研究を発展させていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用分は全額基金に相当する。研究の順調な進行にともなう研究の拡大を考慮し、研究費をより効果的に使用するために次年度以降での使用を決定した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の拡大にともなう物品費の補充、及び、研究成果発表のための旅費、論文投稿料などに使用する予定である。
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Research Products
(23 results)