2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25713019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣田 圭司 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (90631250)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 炎症性Tヘルパー細胞 / サイトカイン / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
粘膜免疫を担当するTh17細胞は上皮細胞や他の自然免疫細胞とネットワークを形成し外界と接している粘膜組織で常時起こっている免疫応答の最前線で機能しており、病原菌に対する粘膜感染防御に重要な細胞群である。一方、一部のTh17細胞が可塑性を示し他のTh細胞様の表現系を示すことが最近明らかになってきている。初年度の研究計画として、予定していたIL-17A-iCre、IL-17-eGFP、細胞系譜リポーターマウスを導入し、これら3系統を掛け合わせることによってTh17細胞とex-Th17細胞の同定が可能となった。フローサイトメトリを用いた解析では、他の細胞表面マーカーと組合わせることによってメモリー型Th17細胞、エフェクター型Th17細胞、ex-Th17細胞の同定が可能になった。さらに、2次リンパ組織を循環しているTh17細胞と腸管粘膜組織に位置するエフェクターTh17細胞には明らかな転写因子プロファイルと表現系に違いが見られたので、これら組織特異性の異なるTh17細胞同士及びex-Th17細胞との間で網羅的な遺伝子発現解析を予定している。 IL-17細胞系譜リポーターマウスを用いることによって、Th17細胞が濾胞性Th(Tfh)細胞への可塑性を示し、通常のTh17細胞では発現していないTfh細胞特異的な細胞表面マーカーと転写因子の発現上昇がみられた。さらに、このTh17細胞の可塑性が抗原特異的なIgA産生機構に重要な役割を果たしていることを示した。しかし、Th17細胞由来のTfh17細胞と通常のTfh細胞との間の機能的な相違には不明な点が多く、細胞系譜リポーターマウスを用いて現在詳細な解析を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IL-17-iCreと細胞系譜リポーターマウスの動物施設への導入が予定より遅れたため、当初の計画に比べやや進捗に遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の網羅的な遺伝子発現解析から得られる候補分子に着目し、Th17細胞の可塑性に対する役割、Th17細胞が誘導するIgA産生機構への関与について検討を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
技術補助員雇用予算であったが、計画を変更したため。 研究計画を変更し一部を物品費として使用した。 主に物品費、旅費として使用計画している。
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Research Products
(4 results)