2015 Fiscal Year Annual Research Report
独居高齢者の要介護化に関する実証研究:同居者のいる高齢者との比較から
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25713027
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| Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
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Principal Investigator |
斎藤 民 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年社会科学研究部, 室長 (80323608)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 高齢者 / 介護予防 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、Japan Gerontological Evaluation Study (JAGES)プロジェクトが有する10年間のコホートデータを用いて、独居高齢者における中等度以上の要介護認定リスクに関する追加解析を実施した。その結果、女性独居者高齢者における要介護2以上リスクは同居者のいる女性と比較して高い一方、男性独居高齢者の要介護2以上リスクは有配偶者よりも高いものの配偶者以外と暮らす同居男性とは同程度であること、ただし認知症状の自覚を有する男性高齢者の場合には、独居者におけるリスクが特に高いことを明らかにした。さらに認知症を伴う要介護認定をエンドポイントとする解析も実施し、独居を始めとする家族との支援のやり取りが少ない男性においてリスクが高い可能性が示唆された。これらの成果を学術集会において発表し、学術誌への投稿に向けて準備を行った。また平成28年度に実施予定のJAGES調査に向けた準備として、独居高齢者において特に重要と考えられるフォーマルサポート項目等、質問項目の検討を行った。これとは別に、独居高齢者に有効なフォーマルサポートのあり方が同居高齢者と異なるのか否かを検証するため、独居者割合の高い大規模公的住宅において悉皆調査を実施した。調査は平成27年12月、65歳以上男女895名を対象に実施し、有効回収数634名（有効回収率70.8％）を得た。今後当該データに平成24年に同地区で実施した調査データを突合するパネルデータセットを構築し、これを用いて縦断的評価を行う予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は当初の予定通り、解析例数と追跡年数を増やしたデータセットを用いて、独居高齢者における要介護リスクに関する追加解析を行うことができた。また解析結果を国際学会での成果発表および論文投稿準備を行うことができた。独居高齢者を対象とする質的研究については対象者の選定が困難であったことから、一部計画を練り直し、計画当初からのもう一つの課題である独居高齢者に有効なフォーマルサポートのあり方についての検討を優先的に進めることにした。独居高齢者を多く含む大規模公的団地において悉皆調査を実施し、解析のためのデータ構築作業を行うことができた。研究計画の一部変更はみられるものの、研究計画全体としてみればおおむね順調に進捗したと考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は多時点パネルデータの構築を可能とするためのJAGES調査を実施する。近藤克則国立長寿医療研究センター部長兼千葉大学教授を始めとする多機関との協働を通じて実施する。調査を効率的に実施するための研究者間のネットワーキングおよび自治体との協力関係の構築は十分に図られている。多時点パネルデータにより、独居高齢者における健康指標の継時的変化を同居高齢者との比較を通じて明らかにする予定である。また平成24年に実施した大規模公的団地における調査データに平成27年に実施した悉皆調査データを突合した2時点パネルデータをもとに、独居高齢者の健康づくりに有効なフォーマルサポートのありようが同居高齢者と異なるのか否かを縦断的に検証する。平成28年度は最終年度にあたるため、本研究におけるこれまでの知見をもとに研究総括を行う。研究遂行にあたっては、適宜研究助言を受けるとともに、資料収集・整理のための研究補助者を雇用するなど、効率的に進める。
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| Causes of Carryover |
当初計画では平成26年度に調査を実施するために配分額を確保していたが、次期JAGES調査が平成28年度に実施予定となった。平成27年度に実施した公的団地における調査は比較的安価に実施することが可能であったため、今年度も引き続き次年度使用額が生じることとなったものである。平成28年度には計画通り全国調査を実施できる見通しであるため、全額執行する予定である。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に実施するJAGES調査に関わる調査費として使用予定である。その他については、成果発表および研究打ち合わせのための旅費、投稿料、英文校閲代、資料整理のための人件費等に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)
