2013 Fiscal Year Annual Research Report
網脈絡膜疾患に対するリンパ管をターゲットとした新しい治療戦略
Project/Area Number |
25713057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 新太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (50583027)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 網膜 / 脈絡膜 / 血管新生 / イメージング |
Research Abstract |
加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などの血管新生病は現在、成人失明の上位疾患である。現在、抗VEGF療法が臨床応用され一定の効果を示しているが、効果不十分な症例の存在や繰り返し投与などの問題点も浮き彫りになっている。これら血管新生病に新たな視点での治療法開発が重要である。血管にはリンパ管がかならず伴うことが知られており、血管新生に伴う病態にリンパ管新生が治療として利用できるのではないかと考え研究を進めている。 脈絡膜血管新生は加齢黄斑変性における重要な病態であるが、脈絡膜リンパ管新生が存在するかは不明であった。今回、私はマウス脈絡膜血管新生の系と患者手術時摘出脈絡膜新生血管板において典型的リンパ管が存在しないことを観察した(Nakao et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2013;54;3830)。 網膜および脈絡膜血管新生からの滲出性変化が視機能低下に結びつく。治療法開発のためには、この滲出性変化を容易にかつ再現性高く観察する必要がある。われわれは現在、眼科臨床において使用されている広角眼底観察システムであるOptosに注目し、マウス血管新生の系においても血管新生からの滲出性変化が観察可能かを検討した。結果として、Optosはマウスにおいてもその滲出性変化が容易に観察できることを確認した (Nakao et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2013;54:5288)。このシステムを用いることにより、本課題の目的である「リンパ管機能を利用した滲出性変化の治療」の効果判定に有用であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
糖尿病網膜症マウスであるAkimbaマウスを共同研究者から入手した。しかし、当施設での繁殖が順調ではなく、解析に用いる匹数を確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Akimbaマウスの繁殖について改善することを考えている。その他の研究計画に関しては概ね予定どおりの方策を考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験マウスの繁殖状況の遅れにより、研究が進まなかったため。 実験マウスの繁殖環境の改善を行なっている。繁殖状況が順調になれば、それに伴う予定実験が施行できると考える。
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Research Products
(1 results)