2013 Fiscal Year Annual Research Report
ブタクサ花粉アレルギーモデルを用いたHLA機能制御分子の探索
Project/Area Number |
25713058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
河越 龍方 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20564800)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アレルギー |
Research Abstract |
本研究課題はアレルギーを引き起こすブタクサ花粉に関して、そのペプチドの生体内でのT細胞への抗原提示を阻害する低分子化合物の同定を目指すものである。平成26年度は、研究の第1段階として、HLA機能抑制低分子化合物をin silico解析により特定した。対象HLAとアミノ酸相同性の高いHLAのX線構造の探索を、PDB code:2NNAの構造をもちいおこなった。次に、統合計算化学ソフトウェアにより、分子結合部位の予測をおこなった。さらに、Alpha Site Filter法によるpre-screeningをおこない、大規模化合物データベース(5,909,712化合物)から可能性の高い化合物の抽出し、ASEDockを用いたdocking計算をおこない、これにより更に結合する可能性の高い化合物の絞り込みをおこなった。その後、研究の第2段階として、実際のマウス細胞を用いて候補低分子化合物のin vitro スクリーニング をおこなった。まずはBALB/cマウスにたいし、H2-A(Major Histocompatibility Complex , BALB/cマウスのMHCクラスII分子) におけるin silicoスクリーニングの結果をもちい、BALB/cマウスに対してブタクサ花粉による免疫をおこなった。その脾臓細胞を用いて、IL-4のELISpotアッセイと3H標識チミジンの取り込みによるT細胞増殖試験による候補低分子化合物のin vitro スクリーニングをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の第1段階であるHLA機能抑制低分子化合物のin silico解析を、H2-A 、HLA-DQ6、HLA-DQ8にたいしておこなった。in vitro解析に関してはBALB/cマウスのH2-Aにおけるin silicoスクリーニング(1次スクリーニング)までをおこなった。in silicoスクリーニングの結果得られた候補化合物に関し、実験を行ったが、実際にアレルギー反応を抑えるという結果はまだ得られていない。 化合物は水に難溶性のものも多く、至適濃度の調整など実験系の構築を現在行っている状態である。また、以前の研究によりブタクサ花粉抗原に対する強いT細胞応答が認められるHLA-DQ6およびHLA-DQ8に関して、他施設より入手したHLA-DQ6およびHLA-DQ8トランスジェニックマウスの繁殖に時間がかかっている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後実験系の構築を急いで行っていく。また現在HLA-DQ6およびHLA-DQ8トランスジェニックマウスの自身による作製もおこなっている。当初予定よりも遅れているが、まずはBalb/cマウスを用いての基礎的実験系において手法を確立し、実際のアレルギー性結膜炎モデルにおいてもその効果をみていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に遅れが生じたため。 平成25年度繰越金は、25年度にに購入できなかった試薬の購入に充てる。平成26年度分に関しては低分子試薬の購入、トランスジェニックマウスの作製費用。アッセイに必要な試薬の購入に充てる。
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