2013 Fiscal Year Annual Research Report
RANKL/Fasを介した関節リウマチにおける骨軟骨破壊機構の解明
Project/Area Number |
25713063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井澤 俊 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30380017)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯学 / 免疫学 / 病理学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本年度はまず、RANKL(Receptor activator of NF-kB Ligand)シグナルおよびアポトーシスに関わるFasシグナルを介した骨および軟骨破壊機構を解明するために自己免疫性関節リウマチ自然発症モデルマウスであるFas欠損MRL/lprマウスの破骨細胞の分化および機能について詳細に解析を実施した。 Macrophage-colony stimulating factor (M-CSF)およびRANKL添加下にて培養した骨髄由来の破骨細胞はMRL/lprマウスにおいて対照マウスと比較して著しく増加し、骨片上での骨吸収能の亢進やアクチンリングの増大も認めた。マイクロCT解析にてMRL/lprマウスの大腿骨では対照マウスに比べて骨密度の低下を認め骨粗鬆症様および関節表面の骨吸収の所見がみられた。さらに破骨細胞の分化や機能に関わる遺伝子群の発現(nuclear factor of activated T cells c1; NFATc1、TRAP、Cathepsin K、c-Fos、NF-kB1 サブユニットp50, p65)はMRL/lprマウスにおいて著しく亢進していた。以上のことより、MRL/lprマウス破骨細胞の機能亢進が骨および軟骨破壊を伴う自己免疫性関節リウマチ病態において重要な役割を果たしていること、破骨細胞におけるRANKL/Fasシステムが破骨細胞の分化および骨吸収機能に関与している可能性が示唆された。現在、破骨細胞遊走に関わるケモカインおよびその受容体の動態を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節リウマチ自然発症MRL/lprマウスの破骨細胞の分化および機能について詳細に解析することを当該年度の目標としており、マイクロCT解析にてMRL/lprマウスの大腿骨では対照マウスに比べて骨密度の低下を認め骨粗鬆症様の所見がみられ、また破骨細胞の関与を明らかにした点でほぼ計画通りの進捗状況であり、来年度の計画もすでに道筋をたてている。さらに、研究成果発表および論文掲載の準備を進めている段階であることから、概ね順調に進展していると考えられるが、さらに詳細な検討を必要とする。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMRL/lprマウス由来破骨細胞のin vivo系での影響を詳細に検討するため、破骨細胞前駆細胞を膝関節に移入し、末梢免疫細胞や関節リウマチ病態への影響を遊走に関わるケモカインを中心に解析する予定である。以上の内容の実験を遂行する上ではハード面、ソフト面ともに問題はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度研究発表を予定していた学会を一部取りやめた為、繰越金が生じた。 昨年度研究発表を予定していた学会を一部取りやめた為、繰越金が生じたが今年度の学会参加および資料収集のために使用する予定である。
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