2013 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨内骨化を制御する血管新生因子標的microRNAの同定と機能解析
Project/Area Number |
25713064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
藤田 優子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (90514670)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨代謝 / microRNA |
Research Abstract |
我々は、 根尖性歯周炎を発症した幼若永久歯に断髄を施行し、血流回復に成功した。壊死した歯髄の血流の復活には、根尖部に残存する歯根膜由来幹細胞とVEGFやFGFなどの血管新生因子以外に、壊死組織中で誘導された血管新生因子の発現が関与している可能性が高い。microRNAは、組織特異的または発生段階特異的に発現し、正常組織と癌などの疾患組織で発現様式が異なることが注目されている。そこで、軟骨特異的に発現するmicroRNAが、血管新生因子を標的として軟骨内骨化を制御すると仮定した。一方で我々は既に骨・軟骨組織の石灰化には血管新生とそれを制御する因子が必要であることを明らかにしているが、本研究では、血管新生因子を標的としたmicroRNAが軟骨の血管新生と石灰化を制御するという仮説のもとに、軟骨特異的に発現する血管新生因子標的microRNA を同定し、in vivo、in vitroの両方向からその機能を解析する。本年はmicroRNA測定の技術面の検討を開始した。ヒト血清、ラットの筋および骨組織からmicroRNA抽出ならびに精製を行ったが、タンパクが豊富な検体においてはRNAの精製が困難であった。各組織によって効率的な精製は異なっており、今後は骨・軟骨における精製法の改善に取り組む予定である。また、測定時の標準値が確立していないことが比較検討を困難にしているため、健康成人の血清中microRNAを網羅的に測定して内部標準の選定を試みた。現在までの論文で内部標準として報告された配列は、検体に添加した外部標準に比べて変動係数が大きく、安定的に発現する内部標準microRNAは選定困難であった。今後もmicroRNAの測定には、外部標準を加える事が望ましいと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにヒト血清、ラット軟骨からのmicroRNA抽出を行った。しかしながら抽出方法や比較検討の方法には改善の必要性がある。一方、microRNAコンディショナルトランスジェニツクマウスのコンストラクトについては市販ベクターをベースに準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.発生期および成長期マウス軟骨におけるmicroRNAの経時的発現パタ一ンをスクリーニングする。 軟骨特異的に発現し、 血管新生因子を標的とするmicroRNAの同定を行う。 2.同定したmicroRNAを軟骨特異的に強制発現させたコンディショナルトランスジェニツクマウスを作製し、 胎仔の軟骨成長をin vivo で免疫組織学的に解析する。
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Research Products
(1 results)