2014 Fiscal Year Research-status Report
ブーリアンモデルによる生体ネットワークの統合的な数理モデル化と解析
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25730005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 武幸 京都大学, 化学研究所, 助教 (00437261)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 代謝ネットワーク / アルゴリズム / 整数計画法 / ブーリアンモデル / 遺伝子制御ネットワーク / 定常状態 / 木幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的や実施計画では、代謝関連遺伝子を破壊した時の表現型の情報を用いて、代謝ネットワークを補完する問題の研究を行う予定であった。今年度は予定とは少し異なることになったが、2つの異なる代謝ネットワークにおいて、ひとつのネットワークの標的化合物は生成不可能になるものの、もうひとつのネットワークの標的化合物は生成可能なままの状態にするための最小数の代謝関連遺伝子の破壊方法を計算する問題の研究を行った。この問題をブーリアンモデルと基準モードを用いて数理モデル化し、NP完全性を証明したうえで、整数計画法に基づく手法の開発を行った。また善玉菌と悪玉菌の代謝ネットワークのデータを用いてコンピュータ実験を行い、提案手法がゲノムスケールの代謝ネットワークに対しても有効に機能することを示した。また研究成果をJournal of Computational Biology誌から出版した。 遺伝子制御ネットワークに関する研究に関しては、予定では癌の遺伝子制御ネットワークのデータなどを構成して研究を行う予定であったが、本年度は理論的な研究を行うことにした。AND/ORブーリアンネットワークの定常状態を求める問題に対し、木幅が定数に制限されていれば高速に動作する固定パラメータアルゴリズムを開発し、研究成果をIEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciencesより出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に行った研究は、当初予定していた内容とは少し異なるものの、大筋としては当初の目的に沿ったものであり、研究成果も順調に発表できていることから、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
ブーリアンモデルに対する研究は継続して行いながら、ブーリアン以外のモデルについても研究対象を広げていきたい。また既存の研究結果との比較もより積極的に行っていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度の使用額はほぼ予定通りであったが、前年度の残額の分が残っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文掲載費の一部として使う予定である。
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Research Products
(5 results)