2014 Fiscal Year Research-status Report
動的システム解析における組合せ的な行列計算手法の研究
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25730009
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
高松 瑞代 中央大学, 理工学部, 准教授 (70580059)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 動的システム解析 / Kronecker標準形 / 混合行列理論 / 微分代数方程式 / 指数 |
Outline of Annual Research Achievements |
電気回路, 機械力学系, 化学プラントなどの多くの動的システムは,微分代数方程式を用いて記述される.微分代数方程式の解析的・数値的難しさの指標として指数が定義されており,指数が大きくなるほど数値計算は困難になる.線形時不変微分代数方程式の指数は係数行列束のKronecker標準形により定義される. 本研究の目的は,背景にある物理モデルの情報や行列束の零・非零構造を利用することで,Kronecker標準形を効率的に計算する手法を開発することである.本年度は以下の二つのテーマについて研究を行った. 一つ目は,混合行列理論の一般化に関する研究である.混合行列の既存研究は主に,回路の分野で現れる行列に応用されてきた.しかし,一般には同じ独立パラメータが複数回出現することがあるため,既存の混合行列理論を利用することができない場面が多く存在する.本年度は,各独立パラメータが2回現れる混合歪対称行列を用いてスケジューリング問題の制約が記述できることを示し,制約つきマッチング問題に対して混合歪対称行列の理論を用いたアルゴリズムを提案した.また,機械力学系や化学プラントなどの分野においても利用可能な,安定で効率的なKronecker標準形の計算法の構築を目指し,機械力学系や化学プラントに現れる微分代数方程式を調査し,係数行列の特徴を分析した. 二つ目は,Kronecker標準形の計算に関する研究である.行列束の各成分の係数は独立パラメータであるという仮定の下で,微分代数方程式の指数を計算する手法が2001年にPryceによって与えられている.本年度は,Pryceの手法と,2007年に岩田・清水によって提案されたKronecker標準形の計算法との関係を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機械力学系および化学プラントの分野で現れる微分代数方程式の特徴を調べた.Kronecker標準形の計算法の開発や混合行列理論の拡張に取り組むための基盤が整備されたので,おおむね順調に進んでいるということができる.
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Strategy for Future Research Activity |
混合行列理論を,機械力学系をはじめとする動的システムに現れる行列を含むように一般化する.また,Pryce(2001)の結果を拡張することで,行列束の零・非零構造を利用したKronecker標準形の計算法を提案する.
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Causes of Carryover |
予定していた学会への参加がキャンセルとなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度は最終年度であるため成果発表に重点を置き,主として旅費に使用する.また,一部を物品費に使用する.
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Research Products
(1 results)