2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤併用療法のための縮小回帰に基づく用量探索法の研究
Project/Area Number |
25730015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平川 晃弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90609330)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生物統計学 / 臨床試験論 / ベイズ統計学 / 用量探索 / がん / 第I相試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
高い抗腫瘍効果を得るために2つの抗がん剤を同時に投与する2剤併用療法の臨床開発が加速化している.一方で,併用療法の推奨用量を決定するための統計的用量探索法は確立されていない.2剤併用療法の場合,許容できない毒性確率を有する用量(過毒性用量)に割付けられる症例が多くなる可能性があるが,既存法では当該問題に対応できていない.本研究では,2剤併用量法のための用量探索法を開発し,既存の用量探索法との性能比較を行った. 具体的には,Copasが提案した縮小回帰モデルを基礎として,過毒性用量を回避できる縮小ロジスティックモデルを提案した.また,提案モデルのパラメータ推定法も開発した.次に,提案モデルのパラメータ推定が安定するまで用いるスタートルール,用量探索過程における増量・減量に対する制限について,提案法に適した方法を評価・選択した.これらの検討を踏まえて,過毒性用量を回避できる用量探索法(提案法)を開発した.シミュレーション実験により,提案法の動作特性を評価すると共に,既存法との性能比較を行った. シミュレーションの結果,提案法の推奨用量選択割合は既存法と同等であり,有用性が示唆された.他方で,過毒性用量選択割合については,提案法が最も低く,これに伴い毒性発現割合も最も低かった.なお,実際の臨床試験で提案法を用いる場合は,検討する用量組合せの毒性確率をいくつか想定し,それに適したコホートサイズ,スタートルール,増量・減量に関する制限を検討し,提案をカスタマイズしていくことが望ましいと言える.
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Research Products
(6 results)