2013 Fiscal Year Research-status Report
多相多元データと非対称データの特性に即した解析法選択のための方法と新解析法の提案
Project/Area Number |
25730019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中山 厚穂 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (60434198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多次元尺度構成法 / 多元データ / 非対称データ / 多変量解析 |
Research Abstract |
「多相多元データ」と「非対称データ」の構造や形式に即した解析法の選択のための方法論の構築と新解析法の提案を目指した研究を実施した.そのために,「多相多元データ」や「非対称データ」やの有している特性について整理し,その特性の理論的特徴付けを行った.そして,既存の解析法と「多相多元データ」や「非対称データ」が有している特性との対応付けを行い,「多相多元データ」を解析する際に用いるべき相や元の数を選択した上で,それに適した解析法を選択するための方法論の確立と「非対称データ」の特性に即した解析法の提案と対称性の検定法の確立を目指した研究を実施した. 具体的には,「多相多元データ」を圧縮・分割することの妥当性についての研究では,分析により得られる布置の一致度を示すマップ係数(一致係数)や布置から得られる距離行列の相関係数(順位相関係数)により検討する研究と対数線形モデルにより多元データ分析し,各相間の交互作用について検証することで,元を圧縮することの可否について検討する研究を実施した.前者の研究の成果についてはNakayama (2013)において論文発表を行った.また,非対称データを分析する際には,データのもつ非対称性の情報を考慮したモデルで分析することが望ましい.しかし,非対称性の情報が重要な情報を有していなければ,非対称モデルよりもより単純な対称モデルで分析した方が解釈や一般化が行いやすい可能性もある.そこで,Nakayama, Tsurumi, and Okada (2013)において単相3元非対称データに対して対称性の適合度検定,周辺対称性の検定を実施する方法を提案した.これらの研究成果を購買履歴データ,ウェブアクセスログデータ,対人関係データなどの様々な実データへ適用し,応用分野への適用可能性について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,「多相多元データ」と「非対称データ」の構造や形式に即した解析法の選択のための方法論の構築と新解析法の提案を目指した研究を実施することを目的としている.そのために,本年においては,「多相多元データ」と「非対称データ」の特性の整理と理論的特徴付け,既存のデータ解析法と各特性との対応付けの実施,2.「多相多元データ」の分析の際の適切な手法の選択法についての研究,「非対称データ」の分析の際の適切な手法の選択法についての研究,「多相多元データ」と「非対称データ」の新解析法の開発提案について研究を実施した.その結果,「多相多元データ」の分析の際の適切な手法の選択法についての研究」と「非対称データ」の分析の際の適切な手法の選択法についての研究については,Nakayama (2013)やNakayama, Tsurumi, and Okada (2013)において成果を誌上発表することができ,今後の研究における課題は存在するが当初の計画を達成できたと考える.また,「多相多元データ」と「非対称データ」の特性の整理と理論的特徴付け,既存のデータ解析法と各特性との対応付けの実施についても既存研究の整理などを中心に行い,概ね順調に進めることができたと考える.そして,「多相多元データ」と「非対称データ」の新解析法の開発提案については,本年度の成果を踏まえながら研究を実施しており概ね順調に進められていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は「多相多元データ」と「非対称データ」の構造や形式に即した解析法の選択のための方法論の構築と新解析法の提案を目指した研究を実施することを目的としている.次年度以降においては,より詳細な「多相多元データ」と「非対称データ」の特性の整理と理論的特徴付け,既存のデータ解析法と各特性との対応付けの実施を行うことを目指す.また,「多相多元データ」と「非対称データ」の特性の整理と理論的特徴付け,既存のデータ解析法と各特性との対応付けの実施,「多相多元データ」と「非対称データ」の構造と形式を考慮した上での適切な解析法の選択についての研究におけるそれぞれの成果をもとに,今後必要となる新解析法についての研究を進め,既存手法の一般化,拡張,精密化,他のタイプのデータ解析法の拡張による一般化に取り組む.さらに「多相多元データ」と「非対称データ」を解析する際の適切な手法を選択するための方法論と新解析法の妥当性をシミュレーションや実データへの適用により検討する.さらに,購買履歴データ,ウェブアクセスログデータ,対人関係データなどの様々な実データへ適用し,応用分野への適用可能性について検討し,消費者行動研究,経営工学,社会心理学などの各分野に新たな有益な示唆や貢献をもたらすことを目指した研究を実施する.以上の研究成果を,計量心理学や統計学分野の国際学会や国内学会での研究発表や誌上発表を目指す.
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