2015 Fiscal Year Research-status Report
クラスター点過程の漸近論の解析と点過程解析に関するRパッケージのGUI実装化
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25730022
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田中 潮 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60516897)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クラスター点過程 / NScluster / 測度距離空間 / Gromov / Ledoux / observable diameter / expansion coefficient / measure concentration |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,クラスター点過程解析のために開発されたCRAN(The Comprehensive R Archive Network)上のRパッケージ:NSclusterを学術論文(共著)として著すため,当該論文の執筆作業を行っている.
さて,M.Talagrand(1995)は測度距離空間に関する研究に点過程を考慮している.昨年度より本研究計画においても距離空間上に有限な測度を与えた測度距離空間を積極的に導入し,この構造に対する解析学とその上で展開される幾何学を融合したものを研究対象としている.有限な測度として特に確率(測度)を考えると,確率は点過程と測度距離空間の共通のキーワードとなり,従ってTalagrandによるアプローチとも合致する. 昨年度から今年度の測度距離空間に関する研究結果として,M. Gromovが彼のGreen Bookにおいて提示している測度距離空間を,測度の概念も込めて定義した測度距離空間の直径を示唆するobservable diameterの上からの評価に関する問題を考察し,これに対して解答を得た.このGromovの問題を考察する際,確率測度の集中現象を測度距離空間上で引き起こすことが指針となる.これから,有界なある種の測度距離空間の直径に対する上からの評価も副産物として得た.さらに,これが成り立つための十分条件はPoincareの不等式を満たす測度距離空間であることも示した.以上の結果を学術論文として著し現在投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度より測度距離空間に関する研究も始まり,結果Rパッケージ:NSclusterに関する学術論文執筆の遅れを来したが,得られた結果を総合的に評価すると進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究課題を通して得られた研究結果の国際発信に努める.
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