2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis for asymptotic theory of cluster point processes and GUI implementation of R package on point process analysis
Project/Area Number |
25730022
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田中 潮 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60516897)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クラスター点過程 / 疑似尤度解析 / 同定問題 / EMアルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
クラスター点過程は,統計地震学における余震データに代表されるクラスタリングデータに対する統計モデルである.これらの高次元幾何学的データの背後にある構造は極めて複雑であり,その複雑性をモデリングするため,申請者は,従来のクラスター点過程モデルであるNeyman-Scottクラスター点過程を,様々な大きさから成るクラスター点過程へ拡張したが拡張の余地はまだ残り,パラメータ推定法やそれに対する漸近論も未だ十分に定式化されていない. 本研究の最終年度は,本研究課題へ自然に引き続くこの問題を考察し,共同研究の結果,若干の知見を得た.
拡張したクラスター点過程に対する尤度解析は,Neyman-Scottクラスター点過程に対するそれとは異なり,モデルパラメータ数が増えるため,モデルに関する同定問題が生じる.この問題を解決することは,拡張したクラスター点過程に対する尤度解析を確立することにほかならない. この同定問題の解決に向けて,共同研究をとおして,EMアルゴリズムが重要な役割を果たすという結論に至った.実際,同定問題は,EMアルゴリズムの枠組みの`データの不完全性'に対応することから,EMアルゴリズムを援用することは自然である.なお,EMアルゴリズムを援用する際,その収束スピードを考察することも重要である.目下,シミュレーションをとおして,EMアルゴリズムによるパラメータ推定値に対する安定性を確認している.
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